第38話 大物が来るそうです。


さて、仕切り直して二つ目の問題。


これを聞いた時、僕は椅子から転げ落ち……頭を抱えて蹲ることしかできなかった。


………。

…………。

……………和平会談……ここでやるって……。


なんでやねん!!



「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



心の中で突っ込んだ後、うめき声をあげてしまう。

流石に驚いたのか、こちらを見てくるミミリーさん。



「僕………元ですが、マルクス王国第3王子なんです…………」



ここで初めてミミリーさんに僕の正体を明かす。

ミミリーさん……目をパチパチ……その後、ゆっくりと見開き、口をあんぐりとあげる………。



「はにゃーーーーーーーーーーーーーー!!」



叫びたい気持ちわかります。

ってか、先に叫んだの僕だった……。


なんでこうなった……なんでこうなったんだ………。

和平会談がこんな辺境のオアシスで行われることになったのですか?

なんかミミリーさん知ってる?

あっ……目、逸らしたね………何知ってるの!!


僕は彼女の肩を掴むと、ガクガクと彼女を揺さぶる。



「はにゃ〜!! はにゃすのにゃ〜!!」



しばらく揺さぶると………正直に話だした……。


ふむふむ。

距離的な問題?………なるほど。

『交路のオアシス』からここまで7〜8日。

新しいオアシスからもここまでで7〜8日程度。


何かあっっても……周りに被害が出て困る物もないし、ちょうどいい? だと………アホか!!


二国家のそれぞれの王子を受け入れる準備なんてできないぞ。

何考えているんだ!

この国の国王とマルクス王国の国王パピーは!!



ミミリーさんが話を続けるが………申し訳なさそうにうつむき出す。

うん?……な〜にかな〜?


なになに?


……。

………。

…………最初の交易で持って帰った果物の一部を、ミミリーさんのお父さんが………王家に流した……だと!

っで、目をつけられたそうだ。

特に……第2王子バカ2号が………。


ここに来る前にもミミリーさんへ王家(主に第2王子)から、王家と『忘れられたオアシス』との橋渡しをお願いされたとか。


で、今回の和平会議。

『忘れられたオアシス』を訪問するのに丁度いい機会だったと………。



「ミミリーさーーーーーーーーーん!!」



思わず叫んでしまう。


まずい……まずいぞ………マルクス王国第2王子バカのオアシス所有宣言で始まったイザコザ……。

その和平会談を、僕(元マルクス王国第3王子)が勝手に開拓しているオアシスで行われる。


僕の身分がバレたら………マルクス王国が勝手に、ガーラン王国のオアシスを支配していたと誤解されるかもしれない。

戦争まっしぐらだよ!!



「ぬあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



やっぱり、僕は頭を抱えて這いつくばるしかできない。

ミミリーさんと2人で奇声をあげ続ける………。

フクロウ族の皆さんを始め、皆さんから訝しげな視線をいただくのだった。



《備考》

オアシス生活112日目(夜)

・『忘れられたオアシス』住人

   ▶︎ユーラ

   ▶︎フクロウ族 9人

   ▶︎冒険者 5人

   ▶︎(仮)ミミリー商隊 12人


・植林の内訳

  合計植林 584本(584/640)

   ▶︎桜    1本 ▶︎りんご   5本

   ▶︎梨    5本 ▶︎カカオ   5本

   ▶︎桃    5本 ▶︎茶の木   5本

   ▶︎柚子   5本 ▶︎みかん   5 本

   ▶︎山椒   5本 ▶︎クローブ  5本

   ▶︎グミ   5本 ▶︎オリーブ  5本

   ▶︎アボカド 5本 ▶︎シナモン  5本

   ▶︎コーヒー 5本 ▶︎ナツメグ  5本

   ▶︎ナツメヤシ    7本

   ▶︎ブルーベリー   5本

   ▶︎サトウカエデ   5本

   ▶︎グレープフルーツ 5本

   ▶︎ビワ(new)   6本

   

   ▶︎防風林(ポプラ)

      第一陣:130本(完成)

      第二陣:140本(完成)

      第三陣:180本(完成)


   ▶︎労働力 椚木隊:30


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             同瀬馬野抱枕

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