閑話:第2話 それ行け! 僕らのミミリーさん!!②


すぐにパパの店で、自分の貯金で買えるものを買い漁る。

交易用に


・塩

・小麦粉

・その他雑貨(服、調理器具)


とりあえず、交易で売れる物にしておいた。

最悪、私の食糧になる。


それとは別に、自分用に


・テント

・水 (30日分)

・食料(30日分)

・薪 (30日分)


これだけの量では、ラクク一匹では無理だろう。


〝ダダダダダダダ!!〟


〝バン!!〟


私は店奥へと走り、パパの職務室へと入る。

パパがポカーンと見てくるが関係ない。


パパに詰め寄ると、パパの足に縋り付く。



「商売を始めるにゃ! 絶対上手くいく気がする商売にゃ!! だから、マジックバックとラククを貸して欲しいにゃ! いや! 貸すべきなのにゃ!!」



縋り付く足から上へと這い上がり、パパの肩に両手を乗せるとガクガクと揺さぶるのだった。


▼▼▼


パパからマジックバックとラクク(ボロック君とケロンちゃん)を借りたので準備をすすめる。


最初はやる気を出した私に喜んでいたパパだったが、行き先が『忘れられたオアシス』だと聞くと態度が変わった。

最終的には、家族や従業員が慌てて止めてきたのだ。


当然である。

何もなく誰も行かないから『忘れられたオアシス』。

そんな所へ愛娘、オーナーの娘が行くと言い出したのだ。

そりゃ止めるでしょ。


だが、全て無視だ。無視。


こんな美味しそうな話、魚がミミズを背負っているようなものなのだ。


さぁ、行かん! いざ行かん!

金貨の山を目指して!


私は『忘れられたオアシス』へ向かって出発するのだった。



▼▼▼


「ぶにゃぁ〜。暑いにゃ……。死ぬにゃ………」



砂漠を進むこと7日目。

全くもって、『忘れられたオアシス』が見えてこない。

そろそろ見えてきてもおかしく無いんだが……。

私はボロック君の瘤に枝垂れかかる。



「方向はあってるはずにゃ。そろそろ見えてくるはずにゃんだが……」



全然見える気配が無い。

暑さのあまり……心が折れそうだ……。


そんな時、ボロック君の頭に一匹の鳥がとまる。

ずっと私を見つめてくる鳥………うん? なんだこの鳥?


そこでピコンと閃く!



「もしかして、ガンラかにゃ?」



鳥が〝ピピッ!!〟と返事をすると、とある方向へ飛んでいく。



「あっちにゃんか? ボロック君、ケロンちゃん行くにゃ」



ボロック君とケロンちゃんを、鳥が飛んで行った方向へ方向転換する。


それにしても、ガンラめ……最初から、そうやって道案内をすれば良かったのにゃ。

帰ったらお仕置きだにゃ。


暑いせいかいつも以上にプリプリと怒ってしまう。

さらに暑くなり、私は辟易としてしまう。

慌てて水を飲んでクールダウンする。


誰でもいいにゃ! この暑さなんとかして欲しいにゃ!!


そんな事を考えているうちに目的と思しき場所がついに見えてきた。


あまりの異様な光景に、すぐにここがそうだと確信を持つ。

砂漠のど真ん中に、草原と並び立つ木々が現れたのだから。



「にゃ! にゃんにゃん! これ!」



まだ遠いが、その異常性に驚いてしまう。

だって……想像を遥かに超えていたから………。

私はボロック君とケロンちゃんを急かす。


しばらく走り、なんとか草原にたどり着いた。

私はボロック君から飛び降り………そこに寝転ぶ。

想像以上に草がフカフカで気持ちがいい。


思った以上に涼しいのにゃ!

今までの疲れが癒されて.......


……。

………。

…………。


はにゃっ!!

気がついたら爆睡をしていたにゃ!

空が薄暗い? 太陽が沈みかけてるにゃ!!



「ふぇっくしょん!!」



砂漠の夜は寒い……無防備に爆睡をしてしまった自分を叱る。

ボロック君とケロンちゃんも私の横で寝ていた。


起こしてくれてもいいのにと思いながら睨みつけるが……2匹は知らん顔で寝続ける。


慌てて焚き火と寝ぐらの準備をする。


視線をそっと並び立つ木々へ向ける。

あの中へ向かうのは明日の朝、明るくなってからの方がいいだろう。


私は早々に寝床の準備を終わらせると、明日に備えて早々に眠るのだった。



⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘ ⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘

 この作品を少しでも気に入ってくれましたら、

      ☆☆☆→★★★

 にしていただけると励みになります。

 また、♡、フォローもよろしくです。


             同瀬馬野抱枕

⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘ ⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る