第33話 船上デートをしてやがったのです。


お、おはよう……ございます………カフッ!!

な、な、なんじゃこりゃ!


人間って……簡単に血涙を流し、吐血するんですね。


ア、ドウモ、スデニ ワスレテルト オモイマスガ、 モト オージ ノ ユーラ デス。

カンジョウ ガ ウマク セイギョデキマセン………。


オアシス セイカツ………ゴホン、ウホン………あーあー。

オアシス生活78日目

ミミリーさん達が来て4日目。


外が騒がしくて、テントから出てみたら……ガンラさ……ガンラの奴とミミリーさんが船上デートをしてやがりました。


朝っぱらから!!

ワハハウフフですよ!

しまいには、こちらに気がついて………



「ユーラさんにゃ〜!!」

「ユーラさ〜ん!!」


「「おぉーい!!」」



二人して手を振ってきやがりました。

「おぉーい!!」じゃ、ねぇえよ!!

見せつけてるのか! 見せつけているんだな!


よし! ウォータースプラッシュをかましてやろう!!

えっ? ダメ? ダメなの? ダメか………。

ぐぬ……ぐぬぬぬぬ……仕方がない……。

手を振りかえしたくないが………僕は大人だ………。



「やぁ! おはよう!!」



出来るだけ爽やかに笑顔で手を振りかえしました……ゲフ!

両手に……血、血が………。

あれ、おかしいな……世界も赤く見えるよ……。


そんな2人を放って置いて、僕は1人舟を漕いで対岸へ。

さ、寂しくなんて無いんだからね!

ちょっと、目が血汗をかいてるだけなんだから………。


対岸に着いたので、とりあえず……



「スキル〝植林〟」x7



ポプラさんを7株召喚して、フクロウ族の皆さんの住居予定地に植えていく。

そして今日は……新能力を使用します。


そう。〝剪定〟です。



とりあえず、『防風林』として活躍してるポプラの大木に向かって………〝剪定〟を発動。

おぉ!! 切り落とすべき枝がわかる。


とりあえず、ポプラさんの幹を触り事情を説明。

了承(なんとなくOK?みたいな……)を得てから切り落とす。

特に怒られない。

どうやら成功のようだ。


どんどん切り落としていく。

遠くからワハハウフフが聞こえてくるが……無視だ……無視するんだ僕………。

作業に集中する……。


やがて、もっさりしていたのが綺麗な形になる。

ポプラさんも喜んでいるように枝葉を揺らす。

それを見上げて僕も満足していると………


〝ぐるん!〟


何処からか根っこが伸びてきて僕に巻きつき攫われる。


頭に???が浮かびパニックになりかけるがすぐにわかった。

次に〝剪定〟してくれってことね……了解了解。


って、気づくと……全員が根っこや枝を手の形にして振っている………。

あれ? これって一大プロジェクトなんじゃ……?


戸惑っている僕を、フクロウ族の皆さんが生優しく見てくる……いや、君達にもやってもらうよ。

手伝ってもらうからね!



《備考》

オアシス生活78日目

・『忘れられたオアシス』住人

   ▶︎ユーラ

   ▶︎フクロウ族 9人


・植林の内訳

  合計植林 346本(346/640)

   ▶︎桜 1本    ▶︎りんご 5本

   ▶︎梨 5本    ▶︎カカオ 5本

   ▶︎桃 5本    ▶︎茶の木 5本

   ▶︎山椒 5本   ▶︎オリーブ 5 本

   ▶︎アボカド 5本 ▶︎シナモン 5本

   ▶︎コーヒー 5本 ▶︎ナツメグ 5本

   ▶︎クローブ 5本 ▶︎ナツメヤシ 7本

   

   ▶︎防風林(ポプラ)

      第一陣:120本(完成)

      第二陣:130本(完成)

      第三陣:14本


   ▶︎労働力 椚木隊:14本


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