第22話 えっ…………放置です。


こんにちは。

この挨拶……いつもと違ってなんかいい感じ。

違いがわかる男。ユーラです。


さて、目の前に根っこに捕まったおじさんが十数人。

皆さん生きているようですが、正しい向きとは違う方向へ向いてしまった箇所があったりしています。


とりあえず、数メートル手前から見守る。

助けないのかって?


近づきたくないよ……おっさんなんかに……。

しかも小汚い……。


どうするか悩んでいると、おっさんの一人が声をかけてくる。



「おい! これをどうにかしやがれ! ぶっ殺されたいのか!!」



恫喝してきました。

……僕は、踵を返して泉の方へと戻り出す。

それを見たおっさんが慌てだしやがった。



「おい! まて! 怪我人を放置するのかよ!! 人としてどうなんだ!!」



ギャーギャーうるさい。

なんだよ。元気じゃん。



「えっ……放置ですよ。解放したらぶっ殺されるんでしょ? 」



僕はそのまま無視して『防風林』の内側へ入り、木の実や香辛料の採取。

『防風林』の方がギャーギャーうるさいので鼻歌混じり。



「さ〜けをおしつけて〜♫ 手を伸ばす水〜♫ ボトルの〜柄と〜♫ ど〜うか〜飲んでほしい♫ 砂漠まで〜来てほしい〜♫ おさけを〜あげます〜♫ 砂漠の〜オアシス♫

う〜す紅色の〜旨い僕のね〜♫ 果てない酒が〜♫ ちゃんとお〜わりますように〜♫ 僕とすきなひ〜とが〜100年飲めますように〜♫」



選曲はやっぱり前世の記憶から。

いい曲だよね。適当な替え歌だけど。

はい! そこのアボカドのトレントさん! 生暖かい目をしないでください!!


はぁ〜それにしても……ミミリーさんいつ来るかな〜。

今度来たら、ケモ耳と尻尾を触らせてもらおう………グフュフュ。


ブロック君とケロンちゃんにも一杯食べさせて…………あっ!!!


そこであることに気づき、『防風林』の外へと向かう。

………あっ、やっぱりいた。


外側の草原でのんびりと草を食べているラクク。

全部で十七頭。


こいつらって………もらってもいいよね。

全匹を繋いで『防風林』の中へ連れていくる。


とりあえずは放し飼い。



「今日から、ここの住人だよ。よろしくね」



と、一匹ずつ撫でていく。

すると、頭の中でファンファーレ。

いつものレベルアップ………あれ? 何故に?


後でいいかと気を取り直し、とりあえずは今日の分の〝植林〟をするのだった。




《備考》

・植林の内訳

 オアシス生活69日目

  合計植林 294本(294/320)

   ▶︎桜 1本 ▶︎りんご 4本

   ▶︎梨 4本 ▶︎カカオ 4本

   ▶︎桃 4本 ▶︎山椒 4本

   ▶︎オリーブ 3本

   ▶︎アボカド 3本

   ▶︎シナモン 3本

   ▶︎コーヒー 3本

   ▶︎ナツメグ 3本

   ▶︎クローブ 3本

   ▶︎茶の木  5本


   ▶︎防風林 第一陣:120本(完成)

        第二陣:130本(完成)



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             同瀬馬野抱枕

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