第19話 やっと商談です。


未だに泣きそうなミミリーさんを宥め、朝食の準備をする。

と言っても、それぞれの木から実を取って来るだけなんだけどね。


心落ち着き、食事が終わったので商談をすることになった。

商談は歩きながら。

まず最初に決めたのは独占契約。

今度から欲しい物を持ってきてあげるから、こことの取引はミミリーさんだけにしろと言うものだった。


それに関しては異論はない。

変なおじさん来られてもいやだし、泊めたくないし……。


そして今回の交換品

まずは僕が受け取ったのは、


・塩

・小麦粉

・その他雑貨(服、調理器具)


ミミリーさんへ渡した物は、


・梨

・りんご

・アボカド

・さくらんぼ(少量)


とお互い交換をする。

っと言っても、こちらから提供できるのは4種の木の実しかないけど(笑)


その話をしていると、ミミリーさんが首を傾げて唸り出す。



「どうかしました?」


「う〜ん。なんというか……生態系がめちゃくちゃなんにゃ」


「どういうこと?」


「朝食に出してもらった果物は見たことはあるにゃ。けど、アボカド以外はここでは育たないにゃ………不思議にゃ………。『防風林』? に使われている木々もそうにゃ」



どうやら、ここに〝植林〟された樹木は砂漠では育たないそうだ………。

やっちまったか?

とは言え、ミミリーさんは僕のスキルを知っている。

なので………



「スキルのせいですよ」



と、ゴリ押ししておいた。

それでも「そうかにゃ?」と頭をひねるので、無理やり話題を変える。



「ミミリーさん。ミミリーさん。今後、どんな木々を〝植林〟していけばいいかな?」


「胡椒!!!」



即答だった。

しかもずずいっと近づいて、胸を押しつけて見上げての即答。

役得役得。


それにしても胡椒か………。

異世界転移、転生のお約束だね。

とりあえず、苗木を出してみるか………。



「スキル〝植林〟」


……。

………。

……………シーン。


はい。何も起こりません。



「なぜに!?」


「………ふーむ。胡椒は木じゃないのかもにゃ……つる性の植物にゃ」


「ガーン!!」



僕は思わず膝を突く………。


僕のが……音を立てて崩れ落ちる。


その場で体育座りをして『の』の字を書き始める。

そんな僕の肩にボロック君が脚を乗せる。


………うん? 慰めてくれるの? ありがとう………。


……。

…………。

………………うん。もう大丈夫。気持ちの切り替えは大切。


今後育てる植物をミミリーさんと決めた。

下のお通り………。


桜の木

梨の木

りんごの木

アボカドの木

桃の木 ▶︎ 召喚成功

山椒の木 ▶︎召喚成功

シナモンの木 ▶︎召喚成功

コーヒーの木(明日以降実験)

カカオの木(明日以降実験)

ナツメグの木(明日以降実験)

クローブの木(明日以降実験)

茶の木(明日以降実験)


胡椒がダメなら山椒というミミリーさんの案は素晴らしいと思った。


で、次回僕が欲しい物は以下の通り。


テント

小麦

野菜の種

家畜(鳥系)

その他雑貨


無事交渉成立。

作物は直ぐにではなく、徐々に増やしていく感じで商談はまとまり、ミミリーさんは急いでここを後にすることになった。

僕は持っていけるだけの果物を渡すと、ブロック君とケロンちゃんの目が輝いていた。


二日だったけど、一人と二匹がいなくなるとなんだか寂しい。

とりあえず、島に戻り桜花さんに甘えるのだった。



《備考》

・植林の内訳

 オアシス生活53日目(夜)

  合計植林 198本(198/320)

   ▶︎桜 1本 ▶︎りんご 4本

   ▶︎梨 4本 ▶︎山椒 2本

   ▶︎桃 2本

   ▶︎オリーブ 3本

   ▶︎アボカド 3本

   ▶︎シナモン 2本

   

   ▶︎防風林 第一陣:82本(完成)

        第二陣:95本(完成)


⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘

異世界ファンタジー週間 155位をいただきました。

ありがとうございます。

今後とも、応援、フォロー、【☆☆☆】の評価の方

もよろしくお願いします。

           2022.6.21 同瀬馬野抱枕

⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る