第15話 結構噂になっていたようです。
さて、このミミリーさん。
ある噂を聞いてここに来たらしい。
………え、噂になってるの?
詳しく聞くと、とんでもないことがわかりました。
このオアシス、砂漠の国では『忘れられたオアシス』と呼ばれているそうだ。
砂漠に点在したオアシスに街を作り集合した国家。
それが『砂漠の国』と呼ばれる『ガーラン王国』。
そんなオアシスありきの国の中でも、ここ『忘れられたオアシス』は誰も手をつけてこなかったそうだ。
理由は簡単。
何処からも遠いかったからだ。
一番近くのオアシスは、ミミリーさんが本拠地にしているオアシス『交路のオアシス』になるのだが、そこまでにも7〜8日砂漠を歩く必要があるそうだ。
ちなみに僕が住んでいたマルクス王国で一番近い街が『最果ての街』。
そこまでも15日はかかる。
流石に砂漠の中を無理して進む人はいないそうだ。
では、なぜミミリーさんがいるのか?
答えは簡単だった…………
「お金の匂いがしたのにゃ」
だそうです(汗)
なんでも今から10日ほど前。
ミミリーさんの幼馴染が鳥の従魔を使って、砂漠の探索をしていたところ、木々に覆われた『忘れられたオアシス』を見つけたそうだ。
その幼馴染は、『交路のオアシス』の領主である父親に話したが、相手にされなかったそうだ。
他の大人に話しても同じ反応。
一生懸命人々に話す幼馴染の話は、次第にある噂になった。
『木々に囲まれた楽園のオアシス』
その話は、幼馴染のミミリーさんの耳にも入った。
彼女は話を聞いた瞬間、〝魚がミミズを背負ってやってきたにゃ!!〟と思ったらしい。
………なんちゅう諺だよ……突っ込まないけど………(笑)
そして、急いで準備をし強行軍でここまで来たそうだ。
「それはそれは、ご苦労様でした」
とりあえず、ここで取れた果物を出す。
梨、りんご、さくらんぼ。
それを見たミミリーさんの目が$になる。
初めて見た……本当に目がお金の単位になってる……。
ミミリーさんは外套を脱ぐと、
「うまいにゃ! こっちもうまいにゃ! これもうまいのにゃ!!」
っと、出した果物をガツガツ食べはじめた。
顔がふやけて……それはそれは人には見せてはいけない顔になってる。
あれ、もしかしての僕もこんな顔で食べてたのか………。
き、気をつけないと………。
って、ここであることに僕は気づく。
「ミミリーさん。ミミリーさん。一人で歩いてきたのですか? 荷物はマジックバック?」
僕の言葉にミミリーさんが「にゃ!!!」って言って手を止める。
「ボロック君達を外に忘れてたのにゃ!!!!」
どうやらミミリーさんは……誰かを外に忘れてきたみたいだった。
《備考》
・植林の内訳
オアシス生活52日目(朝)
合計植林 186本
▶︎桜 1本 ▶︎りんご 2本
▶︎梨 2本 ▶︎オリーブ 2本
▶︎アボカド 2本
▶︎防風林 第一陣:82本(完成)
第二陣:95本(完成)
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いつも読んでいただきありがとうございます。
異世界ファンタジー週間 243位をいただきました。
ありがとうございます。
今後とも、応援、フォロー、【☆☆☆】の評価の方
もよろしくお願いします。
2022.6.19 同瀬馬野抱枕
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