第13話 だから、恐怖でしかないんだけど……です。


おはようございます。

我が名はユーラ。辺境のオアシスで、水魔法を極めし者。


ビッシッ!!! (ポージング!!)


よし! きまった!!


オアシス生活42日目

朝起きてテントを出て、先程のポージング。

やる気が出てきました。

そのまま桜花さんのところへ行き、そっと幹に触れる。



「おはようございます。桜花さん。今日も一日、僕をお守りください」



最近、桜花さんに挨拶するのと同時に祈りを捧げている。

なんとなくご利益があるような? そんな感じです。


その祈りせいか、桜花さんが感情豊かになった気がする。

今も、片手を上げて挨拶を返してくれるし、昨日は頭を撫でてくれた。

なんとなく以心伝心ができている気になる。



さて、〝植林〟スキルのレベルが上がって、1日5株も植えられるようになった。

『防風林』の第二陣も順調に作れている。


第二陣は第一陣の木と木の間、互い違いに ∵ こんな感じに植えている。

実際、何回か来た砂嵐も上手く防いでくれたし……ポプラの皆さんには感謝しかない。


今日も今日とて『防風林』第二陣で、まだ〝植林〟してないところへ向かう。

すると、『防風林』の側に黒茶色の物体が山積みになっていた。


う〜ん。

前にも見たことがあるような……光景。

嫌な予感しかしない……。


近づくにつれて、それが何かわかる。

うん。校長シャイニングバルチャーの死骸の山だ。

今回は狼ではなく……鳥なのね……。

10匹いるかいないか………。


最近、よく上空を飛んでたもんね。

鳴き声もうるさかったし。


それにしても、全部うちの子トレント達が討伐したの?

僕が寝ている間に?

………だから、恐怖でしかないんだけど……。



「えっと……こいつらは、皆さんが倒したの?」



一応聞いてみる。

すると、ポプラの皆さんに、梨とオリーブ、りんごも手を上げて応えてくる。


あっそうですか………皆さんお強いのね。


っとは言え、久しぶりに肉が手に入った。

そそくさと校長シャイニングバルチャーの解体を行う。


その晩は校長シャイニングバルチャーの肉で、ぼっちパーティー…………うん。塩欲しい。



《備考》

・シャイニングバルチャー

▶︎ 荒野や砂漠の上空を飛ぶハゲタカの魔物。冒険者が付けた渾名は〝校長〟。渾名をつけた冒険者曰く、頭の輝きが通っていた学校の校長に似ているとか似ていないとか。肉は淡白ながら美味しく。砂漠の国では好んで食べられている。羽は装飾品に使用できるため、高値で取引されている。


・植林の内訳

 オアシス生活42日目

  合計植林 136本

   ▶︎桜 1本  ▶︎りんご 1本

   ▶︎梨 2本  ▶︎オリーブ 2本

   ▶︎防風林 第一陣:82本(完成)

        第二陣:48本



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             同瀬馬野抱枕

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