第6話 旅立つということでいいのです。
おはようございます。
荒野生活も早いもので10日目。
桜花さんがトレントだった衝撃の事実を乗り越え。
乗り越え………うん。今、乗り越えた! ことにしておく。
心穏やかな? 朝を迎えたわけですが……水が無い……そう、水が無いのです……。
このままでは僕の唯一の友達、桜花さんが枯れてしまいます。
この際、この先にある最果ての街へ行くべきなのか。
桜花さんと相談することにしました。
「桜花さんや。桜花さんや。もう水がないのですよ。いかがしましょうか」
桜花さんはいつもの所で、器用に体育座りをしていた。
桜花さん……昨日よりも成長していて、歪ながら人の形になっていたりする。
そんな桜花さんがそっと手を伸ばしてくる。
「乗れってこと?」
〝カサカサカサカサ〟
僕が桜花さんを見つめると、枝を鳴らして返事をしてくれる。
僕はそっと桜花さんの手に乗っかるのだった。
それを見て桜花さんが立ち上がり、南へ歩き出す。
これは移動する……旅立つということでいいのかな?
この先って……ガーラン王国の方向、砂漠しかないはずなんだけど………。
僕は桜花へ視線を向けると、目(だと思われるところ)が会ったので頷く。
すると、桜花が走り出すのだった。
グワングワンと上下に揺れる。
元の世界の車のようなサスペンションがないから、上下にめっちゃ揺れる。
………怖い。 正直怖い。
桜花さん! 桜花さん! 僕……死……死んじゃうから!!
それでも速度を落とさない桜花さん。
半泣き……いや、号泣で桜花さんの指に縋り付く僕。
あ……無理…………ケロケロケロケロケロ…………
口から
どれくらい経ったのだろう。
二回ほど夜を迎えたと思うがそれどころじゃなかった。
相変わらず上下する世界にグロッキーになった僕は、大人しく桜花さんの手のひらで寝転んでいた。
すると、急に桜花さんが立ち止まる。
何事かと僕は桜花さんの指に捕まりながら立ち上がろうとするが、生まれたての子鹿のように足がプルプル震える。
なんとか立ち上がり周りを見ると……いつの間にか周り一面が砂……砂漠になっていた。
そして、目の前に小さな泉が……オアシスがあったのだった。
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同瀬馬野抱枕
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