秋 −春夏秋冬と手紙−

俺氏の友氏は蘇我氏のたかしのお菓子好き

秋の手紙

乾いた風が抜けていく。

私はその風の中に、一通の手紙を見つけた。


「これは…………」


声にならない吐息を振り絞りながら、その薄茶色の封筒をそっと胸に抱き寄せる。


「お母さんっ!!手紙だよっ!!!風にのってやってきたよっ!!!」


履いていたサンダルを玄関に脱ぎ捨てて、家の階段を登っていく。


「手……紙…………」


二階の自室の揺り椅子に腰掛けたお母さんが、泣きそうな声で呟いた。


「うんっ!!手紙だよぉっ!!!」


手に持った封筒の口を大雑把に破り開けて、私はその中身をお母さんに渡す。


「………………………」


お母さんは淡い桜色の便箋に目を落として、無言のまま泣き出した。


「あなたも……」


涙とともに渡されたその紙は――――




















――――秋の匂いがした。

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