トビハコガメのトト

 さて。

 トビハコガメのトトは、王子たちが見慣れない家に行って、なかなか戻らないな。

 そう思っていた。


 でも、危なそうなものの匂いはしないし、危なそうな音も聞こえない。


 ………。


 夜風がゆらゆらと紫の霧をゆらし、それを見ているうちに……


 トトはすやすやと寝息を立てていたのである。

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