第176話あなたはいと顕証なれば、
あなたはいと顕証なれば、この奥にやをらすべりとどまりてゐたり。
中務の乳母、宮抱きたてまつりて、御帳のはざまより南ざまに率てたてまつる。こまかにそびそびしくなどもあらぬかたちの、ただゆるるかに、ものものしきさまうちして、さるかたに人教へつべく、かどかどしきけはひぞしたる。葡萄染めの織物の袿、無紋の青色に、桜の唐衣着たり。
あちら側は、丸見えになるので、私たちは、こちらの御帳台の裏側に、そっと入り込み、静かにしておりました。
中務の乳母が、宮様をお抱き差し上げて、御帳台の間から、南側に抜けて、お連れ申し上げます。(中務の乳母は、)上品な容姿、背丈はそれほど高くはありません。実にゆったりとした雰囲気を保ち、しっかりと女房たちの模範になるような、知的な様子です。衣装は、葡萄染めの織物の袿、無紋の青色の表着に、桜重ねの唐衣を着ています。
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