第14話 初彼女と新たな事実⑤

 俺は、あの夜から、俺は何度か”小澤美香”と遊びに行っていた。

お互いになんと無しに連絡を取り合っていたので、自然と途切れる事なく

空いている日には遊びに行くようになっていた。


 そして、確か、3回目に遊びに行った日に、少し遠出をしようと提案されて

いつもとは、違う場所まで出かける事になった。


出掛けた町のそばには、夜景の見える場所があるからと帰りがけに

二人で見に行ったのをよく覚えている。


 その日は、初めから考えていた分けでは無かったけど、見ている夜景と

彼女の顔がすごく綺麗に見えて居ても立ってもいられなくなり、

思い切って、その日に告白をした。


 今思えば、良くあそこで無計画にも告白したなと我ながら感心する。

遠出をしたのもたまたま、彼女から提案されたからで、俺が企画した訳では

無かったし、尚更だった。


思い返してみれば、初めて会った日の夜もかなり緊張していたが、告白するもの

非常に緊張していたのをよく覚えている。


正直、なんて告白したっけと、一瞬記憶喪失に成りかける程度には

緊張して彼女へ思いを伝えたように思う。


彼女は、快く受け入れてくれて、彼女と付き合う事になったのだった。


そして、今日は”小澤美香”と付き合い始めてから、初めてのデートだ。


と言っても、特に特別なことをするわけでは無くて

今まで通り、お互いの休日にあって買い物して、食事して、至って普通車な日常過ごしていた。


そんな中、いつも行く居酒屋で夜ご飯食べているときに、美香の方から、今日うちに来ない?と誘われた。


彼女も自分と同じで、一人暮らしだった事もあって

いつかはお邪魔して見たい思っていたので

俺は「大丈夫だよ。」泊まって行っていい?と

気軽に返事していた。


付き合う前を考えるとかなりの進歩だと自分でも

驚く。


そして、お腹も膨れた所で彼女家まで一緒に帰る事となった。

前と違う点を上げるなら、今はお互い手を握り、

照れながらも、微笑みながら家路をゆっくりと、歩幅を会わせながら歩いていった。


彼女の家は、自分の部屋とほとんど変わらず、間取り1K一緒だったのにも関わらず、彼女家だからか異様に綺麗に見えていた。


何かしら、きらきら星輝くものでも飾っているかのように輝いて観えていた。


そんなことを考えていると、「はい!」と美香の声が聞こえてきて、目の下前にお茶がダサれていた。


「どうしたの?ぼうと知っちゃって」と笑みを

浮かべながら聞いてきた。


「ありがとう、いや軟化部屋奇麗だなって思って見惚れてた」


「部屋に?」

っ若干不思議そうな表情を浮かべながら


「そこは、私じゃないの?」と

かなり笑いながら問いかけてきた。


「確かに」!と俺もそう思って、思わず笑ってしまった。


美香が、俺の部屋に来た時と同じように、とても穏やかに

でも、確かに愛のある時間がそこには流れていた。


そんな中、美香は風呂に入りたかったらしく、おもむろにお湯を

張り始めていた。

俺は、この後の展開が良いほうに進んで欲しいと心の中で思いながら、

「お風呂入るの」

「うん、私だけね笑」と

冗談交りのやり取りをしながら、美香は風呂に入り、シャワーを浴びてから

部屋に戻って来た。


美香が、風呂に入っている間、俺は謎の緊張で座っているのも落ち着かず

部屋の中を、うろうろしていた。


彼女になったとは言え、美香と同じ部屋にいるのは、やっぱり緊張する。

ただ、前回みたいな異常な緊張状態では無くて、心地よい?、邪な?緊張だと思う。


風呂上がりの美香は、いつも以上に女性らしく、もの凄くいい匂いがした。


ぼーと、美香に見とれていると。


「どうしたの?」と顔を近づけて聞いてきた。


 俺は思わず、美香を抱きしめて「美香に見とれてた」と普段なら恥ずかし過ぎて

絶対に、言わないであろうセリフを言いながら、美香の唇と自分の唇を重ね合わせていた。


あの時と違って、今回は緊張はしているけど、しっかりと美香を見つめることが出来ていた。

これほどまで、「好き」と言う気持ちを伝えて、通じあった後と前では違いがあるのだなと、この時初めて気づいた自分がいた。


 そして、美香と俺は、身体を重ねるようにしながらお互いを愛し合っていた。

今回は、前回と違うとそう思っていた。

正直、自信も少しだけあった。


 でも...


現実は違っていた。


「やっぱり、ダメだね」


そう残念そうな美香の声が、確かに聞こえてきた。


 自分でも、行為の途中から若干気づいてはいた。

中々、元気にならず、一つになるまでには到底及ばない自分の

息子を見て、正直愕然としていた。


「ねぇ、私ってそんなに魅力ないかな」

と、美香は今にも泣きだしそうな声で呟いた。


「いや、そんな事あるわけないじゃん」

そう言っても、信じてもらえない程に、俺の息子は無反応だった。


「じゃーなんで」

少し、怒りのこもった美香の声が部屋に響く。


「俺だって知らないよ」

「なんで、そんな言い方するの」


「しょうがねーじゃん」

「無くないよ、私は政志と...」


お互い、ヤリたいだけじゃない事は、十分に分かっていた

だからこそ、余計だった。


「もう、いいよ。無理しないで、前もそうだったし」

「今日は帰って」


そう美香は俺に冷たく言って、ベットへ潜り込んでいった。


俺は、虚しさいっぱいで、泣き出しそうになりながら美香の家を後にした。


それからは、数回美香と会い、行為まで及ぼうとしたけど、結果は毎回同じ。

美香も最後は嫌気がさしたのか。「まだ、ヤリ目の方がまし」とか「勃たないとか男として終わってるとか」、「逆に、出来な過ぎて無理とか」。

まぁ、色々言われた。


 今までの、美香なら言わなかったような、セリフもたくさん聞いて

俺はもうかなり疲れてしまっていた。


最後に美香にあったのは、別れを告げられる日だった。


「今まで、ありがとね、あなたの事好きだったけど。ごめんなさい」と

「普通にヤレ人が良いから」と言われ、俺はフラれた。


美香と別れてからは、女性全般に対して、”どうせダメなんだろと”

いう気持ちが先行していて、自分の体を呪う程に嫌気がさしていた。


 どうやら、俺は”ED”らしく、バイアグラとかの薬を使用しないと

満足に行為に及べないことを、美香と別れてから知る事と

なった。


 そんなEDな体と無駄に消えた手術費用を呪いながら、俺は

心の片隅で思っていた。


”普通にヤレることはなんて幸せなんだろう”と。

















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