第12話 初彼女と新たな事実③

 俺は、会社の先輩達3名と人生初の合コンに向かう為、

一番良いと思うスーツを着て、待ち合わせ場所でひたすら3人の合流を

まっていた。


もう、一時間程度は一人で立ち尽くして待っている状態だ。

いや、ドタキャンとか、虐めとかでは無くて、どうも落ち着かず家を相当早く出てしまった為、集合時間の1時間半前に到着してしまい、時間を持て余しているだけ。


俺は、人生初の合コンに相当浮かれているらしかった。


「あれ、工藤早くないか」

「相当、楽しみにしてたんだね」

「今日は、かわいい子多いみたいだし楽しんでけよ」


先輩達は、集合の10分くらい前に続々と集まって来て、俺を見つけると

口々に軽くいじるような口調で話しかけてくれていた。

このようないじりは、愛が感じられるのか、高校の時とは明らかに違い

悪い感じは全くしなかった。

俺は、かなり照れながら。

「そうなんすね、楽しみます。」

といって、予約されたお店に向かう先輩達の後をに続いて歩いて行った。


お店には、女の子たちはまだ到着しておらず、自分たちだけで軽く雑談をしながら

女の子たちの到着を待っていた。

この、誰が、どんな子達が来るかわからない、ドキドキ感が何とも新鮮で

緊張とじゃっかの不安と、楽しみが入り交じった、不思議な感情を抱きながら

俺は、女の子の到着を待っていた。


先輩達は離れしているのか、特に緊張した様子もなく、会社の愚痴や、今日の出来事など、普段と変わらない様子で雑談をしていた。

そうしした中、数分間待っていると。


「お待たせしました」


と、かわいい声が聞こえたと同時に、扉が開いて数名の女性が入って来たのだった。

今回の予約された席は完全個室に成っており、出入り口は一つで普通の片開のドアがてついていた。


女なの子達は個室に入ると口々に「どこに座る?」、「初めまして」など

を口にしながら各々席についてきた。


俺はと言うとただ一人、一番笑顔でいた女性に気を取られていた。


「工藤、どうしたの」と若干からかわれる感じで、一番離れしてそうな先輩に話

掛けられていた。


かなり、硬直していた俺は、上手く返すことが出来ずドギマギしてまっていた。


「こいつ、まだ19歳で今回こういうの初めてなんだ」

と、先輩達はうまくフォローを入れてくれて、会話に参加出来るように、話を振ってくれたり、俺の紹介をしてくれたりしていた。


今、思えば、自分たちの評価を上げたいとの裏の顔もあったかもしれないけど

その時は、なんて頼りになる先輩なんだろうと、感動すらしていた。


「そうなんだ、じゃ、年下だね」と

俺が、硬直する原因となった彼女はそうはなしかけてくれた。


この時は、あまりに綺麗な顔と、屈託ない笑顔に俺は「そうっすね」程度した返せなくて、かなり不愛想な感じだったと思う。


それから、2時間程度だろうか。


合コンの場は、19歳で一番年下の俺をいじる感じでかなり盛り上がった。

これだけメインとして扱ってもらえるなら、いじられるのみ悪くないかもと

変な妄想と勘違いを起こしながら、俺なりにその場を楽しんでいたと思う。


きっと、手術なしでこの場に来ていても、後ろめたさをなんとなく感じたりして、

純粋にこの場を、楽しめなかったんじゃないかと思う程に俺は、この場を楽しんであいた。


楽しい時間はあっと言う間で、こんな感じを味わったのは、ひどく久しぶりな気がする。

普通の高校生なら、友人と過ごす日常は常にこんな感じなのだろうか。

いまさら、俺にはそんなこと分かるはずもないが、そんな後ろ向きな感情がふと頭の中に浮かんでいた。


 合コンはの一次会はお開きになり、先輩達はそれぞれ、好みの子や気になる子へ

アプローチを始めていた。


お酒も入っているからかもしれないが、かなり積極的に誘っているいるように見えていた。

さすがに、19歳の自分はそこまでする事は出来ず、静かに先輩達の動向を静かに見ていた。

”これからは、どうしたらいいんだろう”そんな事を考えれいる時、

後ろから肩を叩かれて、「工藤君はどうするの?」と

彼女は声を掛けてくれた。


優しさなのか、逆に俺に居て欲しくないのかどうかわ分からないけど、変わらず屈託のない笑顔を浮かべていた。

「とくにこの後のことは」


「そっか、初めてだもんね、まぁ、私もなんだけど」と

少し照れくさそうに、彼女は言いながら、

「このまま、二人で2次会しようか」


意外な誘いに俺は、心臓が飛び出るかと思った。

思わず大声で返事を思想になった所を静止されて、俺は彼女に同意して

二人で二次会を行う為、先輩達へ帰る旨をそれとなく伝えていた。


かく言う彼女も上手く理由を言って(大学の課題がまだだからあとかそんな理由だった気がする)その場から帰る感じにしていた。


そして、俺たちは駅の反対側まで行き、合コンメンバーには知られずに、二人だけで合流することに成功していた。

「ちょっとドキドキしたね」


いや、俺はちょっとどころではなかったけど、かなりドキドキだけど

「そうっすね」と今度はさっきより、今日初めて会ったときよりかなり明るく

返事をしてお互い笑い合っていた。


「じゃ、行こうか、ちょっといい感じの所、知ってるから」と


俺は、”小澤美香”に言われるがまま、横並びに彼女と共に彼女が進める場所へ

向かって行った。






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