第11話 初彼女と新たな事実②
俺は、包茎手術を終え、長期連休をゆっくり過ごしていた。
ゆっくり過ごすといっても、息子を手術しているわけで、正直ゆっくりする以外に
手は無かった。
この時ほど、自分の手術を受けたタイミングは完ぺきだったと思った事は無かった。
手術後の当日は特に痛みもなかったが、翌日からは自分で患部の消毒を行うなど
しなくてはならなかったので、患部を見る機会もそれなりに多かった。
巻いてある包帯を外すと、あまりにも変色し、グロテスクな見た目になっている
息子を直視し、消毒液を掛けていく。
これが、正直一番痛かった。
初日なんて、消毒したあと数分は痛みで動けなかった記憶がある。
縫合した箇所も血がたまっているようにななっており、本当に大丈夫か?と
疑問に思う程だった。
包帯も自分で巻きなおす為、なかなか大変な作業だった。
一度は病院で巻いてもらった包帯を外してしまうと、自分では慣れていない事も
あり、完全に元通りには、ならず、巻き方にも違和感を覚えながら、何とか形は
整えて包帯の巻き直しを行っていた。
これを抜糸までの数週間を行うと考えるとかなりの苦痛だと案じていたが、
逆にあと数週間すれば、俺も包茎から完全に抜け出せると希望に胸を躍らせていた。
正確には3週間は患部の消毒と包帯の巻き直しを毎日行っていたように思う。
毎日、患部を見ている為徐々に消毒液を付けた時の痛みと変色も治って来ているのが
自分でもわかった。
徐々に治ってきている息子を見て安堵している中、今度訪れたのは朝立ちなどの自然現象だった。
息子の患部は縫合されている為、縫い合わせられている状態で、通常時より息子が大きくなるわけで、なんとも言えない違和感と、縫合が外れる、糸が切れるのではないかとの不安があり、実際、糸が動いているような感触さえあった。
これから2週間程度は、有り余る性欲による刺激を与えないように耐え、膨張する息子をも守り続け、絶えないとならない。
痛みや恐怖とは違った忍耐が必要だったが、もう少し、もう少しと自分に言い聞かせて何とか耐え続けていた。
完治するまでは3週間かかるので、後半は長期連休も明け、俺は通常業務に戻って仕事をしていた。
仕事は時々、ランダムに起きる息子の膨張以外は特に問題はなかった、一つ気をつけた事は、トイレで包帯が見えないように注意する。
出来るだけ、個室で用を足す事だけだった。
そして、3週間後、ようやく抜糸の為、俺は再び手術を行った病院を訪れていた。
抜糸は思っていいた以上に早く終わった。
も少し痛みを感じたりするかと思ったが、多少患部を触られている感覚と
糸を実際に抜かれる感覚が残っているだけで、痛みはほとんどなかったように思う。
これからは、患部に多少カサブタが残っているが、それも徐々に無くなってくるため
心配は無く、患部も完全に塞がり、治っている状態の為、日常生活に制限は無くなった。
そう、制限は無くなったのだ。
手術後、2週間程度は自分の性欲を我慢し耐え続けていたので、実質3週間程度は特に性欲を発散する機会が無かった。
俺は、包茎の治った自分の息子を見ながらこれで、馬鹿にされる事もなく、男としての威厳も保てると思い若干自信も漲って来ていた。
手術後は特に目立ったことも無く、そのまま帰宅をした。
制限から解放された俺は、まず初めに患部を一人でマジマジと見つめていた。
これで、ようやく息子も皮から解放されて、銭湯とかでも恥ずかしいとか思わずに済むと思い、正直かなり嬉しかったのを今でも覚えている。
その、嬉しさからか、俺の見つめる中、息子は何かを訴えるように、元気に大きく成って来た。
手術直後に感じていた糸の違和感や不安感も無く、ごく自然に大きくなっていた。
俺は、その状態への感動と我慢していた性欲を3週間ぶりに開放した、正直これほど解放感があるものだとは思っていいなかった。
行為の際はカサブタが若干見えているので、完全に不安が無いわけでは無かったが
とくに行為中に痛みなどは無く、ひとまずホットしていた。
そんな、こんなで俺は高校卒業から計画をしていた包茎手術を実行してやっと今までコンプレックスに思っていたことから解放されたように思われた。
ただ、まだ本番行為をした事が無かったのと、過去に虐められた事による傷は消えていないことは確かだが、確実に弱まったように感じていた。
完全に手術も終わり、特に不安も無くなってから、会社では少し明るく振舞えるようになっていたように思う。
「工藤君、なんか少し明るくなった感じするね」
「なんか、いい事あったか。」
「彼女でもで出来たん」
と、今までも関係は良好だと思っていた同僚たちから声を掛けてもらえるよになっていた。
この時、自分勝手になんか受け入れてもらえたような感じがしていた。
当然、自分が包茎で悩んでいた事や虐められていたことなどは知る由も無いのだけれど。
「いや、彼女とからいないですけど、変わりましたかね?」
ちょっと、照れ笑いをしながら今までより明るい声で受け答えが出来ている自分が
そこには確実にいて、手術を受けてよかったとこの時は心からそう思っていた。
「彼女いないのか、じゃ今度の合コン来るか」
そう、数個上の先輩から急にお誘いを受けた。
「まだ、未成年だけど、お酒飲まなければ大丈夫でしょ。」
「社会勉強と思ってい、一度来てみ。」
と、合コン参加メンバーから口々に誘われたので、俺はその言葉に
甘えて人生初の合コンに参加する事になった。
そこで、彼女と会い、俺は人生は簡単にいかないのだと言う事を
思い知るのだが、この時はそんなこと知る由もなく、
人生初の合コンに胸を躍らせていたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます