第9話 魔女との出会い

魔力を集める練習をしていたが、出来てるのか、出来てないのかさえも多恵には分からなかった。そのうち疲れて寝てしまっていた。

「あっ、いけない知らないうちに寝ちゃってたよ」多恵が目覚めるともう朝になっていた。「そんな簡単には出来ないなぁ。見てたアニメではみんな簡単にチートを使ってたのに、こんなに上手くいかないなんて思わなかった」と異世界に来れば全て思い通りに物事が進むと多恵はこ思っていたが、能力を上手く使いこなすことは出来なかった。

ある意味、センスが無かったといのが正解なのだろう。元々、何をするにも鈍臭い多恵だったので、本来なら上手く使いこなせるであろう能力さえも簡単には使えなかったのだ。

「昨日は、マキトにちゃんと聞けなかったから、今日は、ちゃんと聞いて教えてもらおう」と、前向きさは人一倍な多恵だった。

今日も、ミアを連れ山の入り口へ向かうと、マキトが待っていた。

「おばちゃん遅いんだよ。ちゃんと練習してきた?」マキトがからかうように話すと、「そんな簡単には出来ないよー。昨日だってよく分からない説明で、急いで帰っちゃって。一応練習はしたけど、自分じゃ分からなくて。とりあえず見てよ」と言い多恵は、手のひらを広げると

、マキトが「おばちゃんにはちょっと簡単に出来ないかと思ってさ。着いてきて」と言い見るまもなく山の中へ進んで行った。

「マキト、大丈夫なの?ミアちゃんも一緒なんだよ!どこまで行くの?」と多恵が大きな声で話すと、「ここだよ」と大きな木の前で立ち止まり、マキトが木に向かって両手をかざした。するとオーロラのようなモヤがかかり始めた。「こっち、着いてきて」とマキトは、ミアの手を引きオーロラの中へ入っていった。多恵もドキドキしながらオーロラを抜けると、綺麗な川の横に可愛い1件の家が建っていた。「マキト、ここどこなの?」と多恵が聞くと、マキトは、「魔女の家さ、行くよ」と言い、家の中に入っていった。

「連れてきたよー」とマキトが言うと、家の奥から髪の長いなんとも美人な女性が現れた。

「マキトが昨日言ってたのはこの人だね。確かにね、この人なら」と女性は言い「私は、アリサ。マキトに魔術を教えてやって欲しいって頼まれてね、マキトが、私に頼み事するなんて事はないから、引き受けてあげようかと思ってね。で、どうして魔術を覚えようと?」アリサは訝しげな顔で聞いてきた。多恵はマキトにも話した一部始終を話し、今の自分が何も出来ないこと。まずは、自分が、魔力を使えるようにならないと話が進まない為魔術を学びたいことを話した。「それだけのオーラがあって全く使えないんじゃ宝の持ち腐れだね~。それでマキトに昨日言われた事はやってきたの?見せてみて」とアリサが言うと、多恵は、「出来てるのか分からないけど」と言い、手のひらを前に出し力を集める仕草をした。

「ダメだね、それじゃ。そもそも魔力が見えてないんじゃお話にならない。自分の力を知らないと、出せもしないし、伸びもしない。ゼロから始めるよ」とアリサは、1日で何も出来なかった多恵を見て、直ぐに魔力感知から始めることに決めた。多恵は、ダメだと言われ、教えてもらえないのかと一瞬思ったが、ホッとしていた。

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