第4話 ミアとの約束

「おばちゃん、行こう!」

ミアが元気に言った。多恵は、「そうだね、ミアちゃんと約束したもんね少し一緒にお散歩しようか」多恵は、ミアと手を繋ぎ外に出た。

「いいお天気だね〜」「ね〜」

ミアは嬉しくて仕方がなかった。両親が亡くなってから、マリアは仕事に必死でミアは一人ぼっちになる事が多かったからだ。本当は寂しくて仕方がなかったが、頑張って働いているマリアには寂しいと言えなかった。

「おばちゃん、こっちがねお店がたーくさんあって、ここがね、可愛いお洋服があってね、いつもパパと、ママが連れて来てくれたんだよ」

少し寂しそうな顔をしながらも元気に話をしてくれている。

「それでね、あっちにね豚さんや、牛さんがたーくさんいるの」ミアの笑顔は本当に可愛かった。多恵は、マキトの事も気になっていたが、両親の事も気になって口には出せなかった。

「おばちゃん、ここのずーっとずーっと向こうにね、王都って言う王様の住んでいる大きな街があるんだって。ミアはね、遠くて行ったことが無いんだぁ。、でも、いろんな物があるんだって。パパが、一度だけ行った事があるんだって教えてくれたの。ミアもいつか行きたいなぁ。」多恵は、小さいのにしっかりした子だなと思い、「ミアちゃんなら行けるよ。おばちゃんもいつかは、行ってみたいな」と話すと「うん。いつか行こうね」と指切りをした。

「ミアちゃん、そろそろお家に帰ろうか?お腹空いたでしょ?」と言い家路へ着いた。

帰りは、すれ違う人に、「おばちゃんね、ミアん家にいるって」と嬉しそうに話した。

家に着くと、「おばちゃんは、どうして山から帰ってこれたの?本当に怖い魔物がいるから近づいちゃいけないんだって。おばちゃんは、魔法が使えるの?」とミアに聞かれた。多恵は、「魔法が使える人がいるの?おばちゃんは、使えないけど、スライムっていう魔物に助けてもらったんだよ。おばちゃんは、良い魔物もいると思ってるんだ。」ミアの顔は少し曇り「魔物は、危ないってみんなが言ってる。ミアのパパとママが居なくなったのも魔物のせいだって」ミアは泣き出してしまった。「ミアちゃんごめんね。おばちゃんが悪かったから泣かないで」

多恵は、ミアに話しかけるが、ミアは部屋に閉じこもってしまった。

多恵は、両親を無くした小さい子に余計な事を言ってしまった。と後悔をした。

多恵は、ミアに何かしてあげたいと思い、部屋を見て回ると、両親の物であったと思われる服と裁縫道具を見つけ、ぬいぐるみを作ることにした。あまり上手では無かったが、1時間ほどで小さなクマのぬいぐるみを作った。

「ミアちゃん、元気出して僕がいつも一緒にいるよ」部屋のドアからクマさんが話しかけているのを見て、ミアは「わぁー」と駆け寄って来た。「おばちゃんが作ったの?凄〜いミアがもらって良いの?」と言いクマを手に取ると「ずーっと一緒だよ」と抱き締めた。

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