記録:依頼
今から流れる会話記録は、坂井弥太郎についての捜索にて発見、押収されたボイスレコーダー内の音声記録である。この資料は現在情報課の管轄下にあり、無許可で持ち出すことは禁じられている。
「はじめまして。坂井探偵事務所所長、坂井弥太郎と申します。本日ご依頼のオリバー様でお間違いないでしょうか」
「ええ、こちらこそはじめましてですね。ご存知の通り、私がオリバーです」
「今回はご料金の方が前払いとのことなので、早速本題に入りましょう」
「こちらとしても有難い、職業柄忙しいものでね。私が依頼したいのはスウェーレシティ暴動鎮圧部隊隊長、イヴァークの素行調査だ」
「今何と?」
「イヴァークの素行調査を依頼させて頂きたい」
「ご冗談を、シティの捜査機関に関する調査は禁じられているはずです」
「あなたは今自分が置かれている状況を理解する必要がありそうだ。私の手を見ろ、この銃が見えるな? 私と会った時点であなたに依頼を受ける以外の選択肢はない」
「初の依頼人がこんな馬鹿だとはな。俺もツいていないようだ。受けよう、ただし後日に依頼金の2倍の額を振り込め」
「その位なら構わない、総支配人も了承してくださるだろう。期間は3ヶ月、ヘマをしたらあなたはシティから消えることとなる」
「恨むぜ」
「ご勝手に」
数回の靴音と扉の閉まる音がした後、記録は終了している。
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