Knight fight

 電子回路が唸っているのを肌で感じる。親父が遺した意思を遂行する時が来た。シティからは既に破壊の音が鳴り響く、それを更に俺が終わりへと昇華させてやる。男が俺に手渡した圧縮型クラスター爆弾を有効に活用してやろう。


 「浸っているところ悪いな、お前を殺しに来た」


 『奴の名前は騎士塚! 見たところ何か別の組織からの支援を受けているようだな。ユー! 心してかかるのだ!』


 「装備は?」


 『あいつはユーと同じくサイボーグである、様々な銃火器を仕込んでいるだろう!』


 「人の家に無断で入り込むとは礼儀の欠けた奴だな、まあ良い。前哨戦と行くか」


 腕仕込みのブレード起動、アシストAI ON、バックガトリング射撃準備。奴の全てを観察し、読み取れ、俺に死角は無い。


 「まるでエイリアンだな、原型が無くなってやがる」


 「御託はいらない。ほら、来い」


 「お望み通りに」


 何をしても無駄だ。俺のスキャンは全てを____ 体が突然浮いた。ジェットパックの故障? 違う!


 「遊覧飛行と行こう」


 ジェットパック作動、回転して奴からの拘束を破る。ガトリングは空中じゃ狙いが定まらない、ブレードで刺し殺してやる。刃渡り10m延長だ。


 「鬼退治でもすんのかよ」


 背後から声がした。奴も浮いているのだろう、この距離なら切れる。振り向きながらの一閃、噴出される蒸気。刃が体にめり込む音。


 「中々鋭いじゃないか! 惜しい!」


 「避けたのか?」


 「違う違う、自分の腕見てみろよ」


 腕が無い、奴はどうブレードを返したんだ?


 「お前のそれはもう旧式なんだよ、俺の握力で曲げられる」


 「親父の最高傑作だ。そんなはずは」


 「そりゃお前の親父がバカだったんだろうな、引き篭もり過ぎだぜ」


 「貴様……!」


 殺す… 殺してやる… クラスターは今、ここで使う!


 「乗ってきたな、ほらかかって来い!」


 「言われなくとも!!」


 

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