少し一息
「ひゃっほぉぉぉ! お酒って良いですねぇぇ!」
「メアリー、抑えろ。とんでもない顔になってるぞ」
「拙者、荒れ狂う寸前で候」
「サムライが酔いすぎておる。そろそろお開きといくかの?」
「それが良い、支払いは私がしておく、ヘンリーは赤坂を頼む。メアリーはなんとかしておく」
最悪だ。赤坂は酒を飲むと気が狂う、メアリーも尋常じゃないテンションだ。坂井についての仕事も残っている、捜索部隊に指示を出さなければならない。
今は午後10時、今日は情報共有だけで終わりだな、本格的な捜索は難しいだろう。
「イヴァークさぁん、憂鬱な目をしていますねぇ! 仕事なら手伝いますよ!?」
「酔いが冷めたら話をしてやる。家には自分で帰れるな? メールで仕事の内容は送っておく」
酒屋の支払いを済ませ、メアリーをワープタクシーへ乗せた。見た目だけなら小中学生と誤解されない、身分証も持たせておくのがいいだろう。
「家に送ってやってくれ、身分証で住所は分かるだろ?」
「了解致しました。料金をいただきます」
高くつく、だが今回は特別だ、貸しにしておいてやるのもいいだろう。メールで捜索部隊に連絡を送り、待機場所の会議室へ向かう。建物の数が多いのは面倒だが、襲撃された時の防御を高めるためでもある。仕方のないことだ。
「イヴァークさん、資料を拝見しますね。捜索部隊はそう長く設置出来ませんから、早めに事を済ませてしまいましょう」
「ああ、これが例のメールだ。異様な量だろ、ストーカー並だな」
いつの間にかメールの数は100件を超えていた。異常だな、情報課のキースもちょっと引いている。
「ほ、本当に全部坂井の資料なんですか?」
「ああ、奴の熱心なファンらしい、調べておいてくれ。明日午前7時に捜索開始だ」
キースに情報を渡し、家へ帰る。一応部隊の奴らにも情報を送っておくか、メアリーには少しぼかしておこう、あいつは何するか分からん。
最近は夜がやけに静かだ、少し前までは若者が大騒ぎしたり、アウトローも出没していたのだが。新たな強化剤や坂井の件など、気になる事が多すぎる。睡眠はしっかりとしておかねばな。
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