金剛石
鋸男がコートを俺に向かって投げる。目眩しだろう、コートを払っている隙に鋸男は丸鋸を左手に、両刃鋸を右手に持っていた。
「これなら… どうかな? 切れるかな?」
丸鋸が脇腹を目掛けて飛んでくる。ナビの軌道通りだ。持ち手を掴んで勢いそのままに投げ返す。鋸男は電磁波を出し、防いだ。
「おい、なんだそりゃ、インチキだろ」
『アイツが使ってるのは電磁シールドの旧式である! ユー、ジャミングを使え!』
「小賢しいナビゲーター… 良い… どこに居るのかな?」
(結構頭が回るじゃないか、ただの変態かと思っていたが)
ジャミング装置を左腕のスイッチを押し、起動させる。小型ミサイルも仕込まれたままだ。鋸男が両刃鋸を振りかぶる、狙いは首か、軌道が見える。サイボーグも悪くないな。
両刃鋸を右手で防ぐ、火花が散った。痛みは皆無だ。鋸男の腕をそのまま掴んで固定させ、左腕の小型ミサイルを撃ち込む。流石に効いただろ。
鋸男は吹き飛び、ゴミ箱に叩きつけられた。動かない、不意打ち狙いか?
右腕を変形させ、レールガンにして近づく、鋸男の両手が消えた。レールガンを撃つ、銃口に鋸が突き刺さっていてまともに当たらない。なんて野郎だ。
「君は、想像以上… まるで… 金剛石? 黒曜石? 最高の硬さだ」
鋸男が緩やかに起き上がる。仕方ない、右肩に仕込まれたレーザーブレードを取り出し、切りつける。あっさりと鋸男は真っ二つに両断され、死んだ。
「おい! 腕を失くした学生さん! 生きてるか?」
「な… なんとか…… 病院に連れてってくださいぃぃ…」
『病院はダメだぞ! メディキットを使うのだ。 右足に仕込まれている!』
「お前ら俺の体をテーマパークにでもしようとしてんのか!?」
本当に仕込まれてやがる。腕を学生に接着してやり、家に帰した。レーザーブレードなんてとんでもない武器も作りやがって、恐ろしい奴らだ。
『初仕事ご苦労! ユーのアクションは完璧だ。レポートに書いたぞぉ! 後で見てもよいぞ!』
「次のターゲットはまた明日でいいか? 疲れちまった」
『一ヶ月以内に全員を回収できればOK! 早速鋸男の死体を私の元へ持って来るのだ』
「了解、帰ったら寝るぞ、起こしたらうるさい口を吹き飛ばす」
鋸男の死体を持ち、飛行モードを起動、背中からブースターが出る。慣れるまでは時間がかかりそうだ。
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