サイボーグ•探偵

 なんだ、確か俺は… 警察と撃ち合って… 頭を… 辺りは手術室のように見えるが……


 「ヘイ! 起きたかソルジャー、自分の体を確かめてみるが良い!」


 白衣を着た女がそう俺へと呼びかけた。なんだ? 頭を動かすと、歯車が回る音がする。何をされたんだ?


 「ユーの体は既に全身サイボーグなのである! 偉大なる総支配人、マズル様のご意志によってな! 私の名前は天神、ユーの手術を担当したのだぞ?」


 あ? 何を言ってんだこいつは、サイボーグだと?


 「サイボーグになったからなんだ? 帰らせてはくれないのか?」


 「ユーは既に行方不明の容疑者としてイヴァーク率いる暴徒鎮圧部隊により捜索がされているのだ! 街に戻ることは許されざる行為なのであるぞ?」


 「俺は何をすれば? 殺しか捜索しか出来ないが」


 「ユーにはマズル様のボディガードをして貰うのだ。とても重要な役目であるぞ? 心してかかるのだ!」


 「お前を殺せば街へ帰れるか?」


 「脳をいじっているから我々への反抗はできぬ!」


 厄介なことだ。当分はマズル様とやらのお世話をしなければならない、街へ戻っても今は厳しそうだ。ほとぼりが冷めるまではここだな。


 「分かった。引き受けよう、マズル様とやらはどんな奴なんだ」


 「華麗な方だ… 全身が"マズル"でな? 芸術作品が命を持って歩いているようなお方だ」


 化け物じゃねぇか、なんで生きてんだよ。置換技術といいここの連中の科学力は凄まじいな。


 「マズル様からの連絡だ。モニターへ映すぞ! 敬意を持って接するのだぞ」


 部屋に設置されたモニターへ全身マズルの化け物が映しだされた。


 『ここんにちは、マイマイボディガード! あなあなたはこれこれから私私の信信頼できる同同士です!! 類類稀なる戦戦闘の才能を、存存分に発発揮して下さいね?』


 マズルは興奮して全身から銃弾を発射する。1番関わりたくない類の奴だ。ワープゲートが開き、能面を付けた武者が登場し、マズルへボードを渡す。


 「仕事はなんだ? サイボーグとやらの性能も疑問に「それに関しては安心しろ! ボディメカニックNo.1の私が手術をしたのだ。完璧でない筈がないぞ!」


 小娘が、話を邪魔しやがった。いちいち苛立たせてくれる奴らだ… ボディメカニック? 聞いたことがあるぞ、確かテロ組織だったよな。


 [[あなたはボディガードとして私が素体を集める時の手伝いをして貰います]] マズルがボードを指で指す。 

 [[今日の予定は彼女に聞いて下さい、彼女は優秀な秘書でもあります。 あなたの助けとなるでしょう。good luck]] 映像はプツンと切れた。


 「精密なマズルの位置、流線的なフォルム、どこをとっても完璧です…」


 「感動するのは構わないが、しっかり仕事もしてくれよな。秘書なんだろ?」


 「Yes! ユーがこれからするのは街に住むフィジカルエリートの殺害! 回収! こいつらを殺せば、任務完了だぁ〜ッ!」


 天神は紙を俺に渡す。そこにはターゲットが写真付きで記されており、どいつもこいつも厄介そうだ。 これからは忙しくなる。こいつらに関しても調べなくてはな。

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