9話
本編を再開します
学校を出て、最寄り駅近くのゲームセンターで燿と遊んでから俺は自宅へと帰った。
俺の家は学校近くの駅から3駅離れているので大して時間はかからない。
駅に着くと俺は母さんに頼まれていた買い物を済ませ、家の方へ歩いて行く。
駅から家までは歩いて5分程の距離にある一軒家だ。
「ただいまー!」
俺は玄関のドアを開けて、中へ入る。
「お帰りー!」
すると母さんがリビングから出てきた。
「ただいま母さん。頼まれていたもの買って来たよ!」
「ありがとう真守。ご飯出来てるから着替えておいで!」
「りょうかーい!」
俺は自分の部屋がある2階へと階段を登る。
この時、俺は完全に油断していた。
今日は一日中、ついて無い事を忘れていたのだ。
俺は階段から足を踏み外し、そのまま落下してしまった。
ドッン!
と鈍い音が響き母さんが来る。
「真守!!」
と母さんは叫ぶが、頭を打った俺はそのまま目を閉じた。
「ねぇお兄ちゃん!こっちに来て!」
今度は新しい記憶だ。
いつもの女の子が俺の手を引っ張っている。
どうやら今度は庭のようだ。
しかもこの庭、かなり広い。多分、家の倍くらいの広さがある。
前に見た誕生日の時も思ったけど、この記憶にある家はかなり大きい!その上、多分金持ちだと思う。
でもそれだと、昼に見た時、何で公園で遊んでたんだ?
そんな事を考えていると、どうやら目的地に到着したようだ。
「お兄ちゃん!一緒に遊ぼ!」
と女の子がボールをこちら向かって投げる。
俺はボールを拾って、女の子の方になげている。
俺と言ってもこの場合は、この記憶の持ち主の事だ!
2人は楽しそうに遊んでいる。
すると目の前がいきなり暗くなった。
しばらくして、また新しい記憶が見える。
今度は家の前で俺と、両親、そして女の子が集まっている。
家の前にはおそらく父親と俺、母親と女の子、そして家の前に止まっている車に母親が女の子の手を引っ張って乗せようとしている。
泣きながら嫌がる女の子を見て俺は理解した。
おそらくこの記憶の持ち主の両親は離婚して俺と女の子は離れ離れになってしまうのだろう。
そして、この記憶は家族が一緒にいる最後の日の記憶なのだろう。
泣いている女の子を見てどうやら俺も泣いているようだ。
そりゃあ、そうだよな。あれだけ一緒に遊ぶくらいだし、離れ離れになるのは悲しいよな
やがて女の子が車に乗せられて、車が走り出すと俺は車を追いかけるが、残念ながら途中で転んでしまう。
車を見ると女の子が窓を叩きながら何かを叫んでいるようだった。
俺は右手を車の方に伸ばしながら何かを叫んでいたけど聞き取れなかった。
やがて目の前が暗くなり、俺は目が覚めた。
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