間話

退院した後は本当に忙しい毎日だった。

まず、学校の方だが、入院中に担任の先生が来て、卒業できるように手を回してくれていたので、俺は3ヶ月だけ学校へと行って卒業できた。


出来たのだが・・・


残念ながらずっと欠席していた俺の事を知っていた同級生はいなかった。


「まぁしょうがないよな・・・」


と俺は割り切っていたので大して気にはしなかったが、問題は中学に入学してからだった。


いくら病気が治ったと言っても、激しい運動は控えるように言われていた俺は残念ながら運動系の部活はもちろんのこと、体育の授業でさえもほとんど見学した。


そのせいで周りと馴染めず、孤立していった俺だが、2年に上がると同じクラスになった燿と仲良くなった。


当時、燿が入院中に出会っていたよっちゃんだとは知らなかったけど、何故か仲良くなれた。


入院中の時も趣味が同じだったりして、話が弾む事が多かったので多分そのお陰だと思う。


燿のお陰で虐められる事もなく平穏な中学生活を送っていた俺だが、この頃からある調べ物をしていた。


それは、俺に心臓をくれた人の事を探す事だった。

と言っても、分かっている事は俺より2つ歳上で、当時、中学2年生の男子という事だけだったので捜索は難航した。


どこから手を付けるべきか分からなかった俺はまず、手術の前日と当日に事故死した人を調べた。

心臓の提供者の場合、脳死が条件なので自然と病者か、事故死のどっちかだと思ったからだ。


図書館へ行き、新聞や雑誌を読み候補を探していく。しかし残念ながら見つからなかったが、諦めず探し続けた。


結局、中学を卒業するまで探し続けたが見つける事は出来ずに俺は諦めたが、大人になったらもう一度探そうと誓いを立てた。


俺はそのために、自分にできる事をした。

まず、必死に勉強をした。お陰で、学年でもトップを取る事ができた。

入院中、勉強ばかりしてきたのでそれのお陰だと思うとちょっとモヤモヤする。


次に、人並みに運動ができるように体を動かした。 

少し走るだけで息切れしていた俺だが、どうにか人並みには走れるようになった!



そして、高校へと入学した。



過去編は今回でお終いです。

次回より本編に戻りますのでよろしくお願いします。

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