間話

よっちゃんと出会ってから、およそ半年がたった。

その間、俺の体調は変わらず良くも悪くもないままだ。


いつ限界を迎えるかも知れない俺は、一日一日を懸命に過ごした。


よっちゃんには心配させたくないから自分の病気の事は隠したまま、医者や看護師さんにも口止めしてもらっていた。



よっちゃんと、遊べない時は、両親や看護師さんに頼んで勉強を教えてもらったり、本をたくさん読んだりした。


もちろん寂しく思えたし、つまらない時もあったが、我慢した。その代わりに遊べる時はよっちゃんとたくさん遊んだ!


けれど、出会った時は活発だったよっちゃんが、体調が悪くなったのか病室から出られ無くなったので、俺はよっちゃんの病室に入り浸る様になった。

一緒に本を読んだり、勉強したり、テレビやアニメを見たりした。


ずっとこの日常が続けばいいのに・・・


いつしか俺はそう思い始めた。


けど、ある日突然よっちゃんがいなくなった。


俺は看護師さんに理由を聞いたが教えては、くれなかった。


何で何も言ってくれなかったの?


日が経つごとに、よっちゃんに俺は裏切りられたと思うようになった。


やがて、俺の中では一気に絶望感で埋まっていった。


そして、それに呼応するかの如く俺の病状も悪化し、俺はまともにベットから起き上がる事が出来なくなった。

一日の大半をベットで過ごし、まともに食事すら出来ず、点滴のみの生活が続いた。


病は気からなんて言うが、まとを得た言葉だとおもう。


容態が悪くなる中、俺は転院する事になった。

この病院の設備では、これ以上の事ができないそうで、もっと設備の整った病院で治療を受ける事になったのだ。



転院してからは容態も安定していき、ようやくまともに歩けるようになった。

リハビリをしながら、勉強や読書なども再開していった。


だけど、俺の心は空っぽだった。


俺の心を満たしてくれていた、よっちゃんがいなくなり俺は寂しさに打ちひしがれながら一年以上を過ごした。


そしてついに運命の時が来た。












  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る