第7話


「俺がお前を助けた?」


「ああそうだ」


「・・・ごめん、全然覚えてない」


「知ってるよ、だから覚えてないって言ったろ」


「因み、それはいつの話?」


「小学校4年の時だな」


「って事は、もしかして病院でか?」


俺は小学校の時、訳あってずっと入院していたので、燿と出会うとしたら病院くらいしか思えなかった。


「その通り、お前と初めて会ったのはお前が入院していた荒川病院の病室だよ」


「ちょっと待て!あの時出会ったという事はもしかしてよく一緒に遊んでいた、『よっちゃん』ってお前か?!」


「お!ようやく思い出して来たか?」


「ああ、よっちゃんの事は今でも覚えているよ。確か百万人に一人の病気で入院しているって聞いてたけど、その様子だと手術出来たんだな」


「小4の時にな、でも手術するのを決められたのはお前のおかげなんだぜ!」


「俺の?」


「あの時、俺は早く手術をしないと手遅れになるって医者に言われていたが、正直怖くてできなかったんだ。でも俺よりも苦しいはずのお前が必死に生きようとしている姿を見て、俺も覚悟を決める事ができたんだよ。

だからお前は俺の命の恩人なんだ!」


「それは、大袈裟だとおもうぞ?」


「他人から見ればそうかもしれないが、俺は違う!苦しい入院生活の中でお前との時間は俺に勇気をくれた!それにお前は自分の体調が悪くても俺の部屋に遊びに来てくれてたろ?」


「知っていたのか?」


「ああ、お前が帰ってからナースの人達が話してるのを聞いたんだよ。ついでにお前の病気についてもな」


「なんだ、分かっていたのかよ。あーあ、心配させない為に秘密にしていたのになぁ」


「俺も最初は嘘だと思ったよ。だって、あのままだとお前は後、3年しか生きられなかったんだろ?」


「うん、そう。だからもし俺が急変しても、よっちゃんが心配しないように秘密にしていたんだよ」


「やっぱりな、けど正直ショックだったよ。俺たち親友だと思ってたからさ」


「悪かったな、話せなくて。俺も怖かったんだよ。いつ死ぬのか分からない中でお前に悲しい思いをさせたくなくってたさ」


「そうか」


話の都合上、3時間後にもう1話投稿します。

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