第四章 2つのデートと過去の咎
小悪魔系ロリ後輩からのお誘い
実家から戻ってくると俺は、夏休み最終日に宿題をやる学生よろしく、徹夜で残っていた課題を終わらせていく。
ようやく全てを終わらせた頃には日和が戻って来ていてご飯をせがんできた。
俺の休みはどこ行った!!
次の日GW五日目
俺は黒羽に連れられて、近くのショッピングモールに来ている。
なんでも、買い物をするのに荷物持ちに付き合って欲しいそうだ。
俺は普段大学に行く格好と同じ陰キャ姿で待ち合わせ場所へと向かう。
しばらく経つと、よく知っている声が聞こえてきた。
「おーい!センパーイ!」
手を振りながらこちらに向かってきた黒羽は普段とは違い、白いワンピースに水色の薄手のカーデガン、そして珍しくヒールをはいている。
「遅くなってごめんなさい先輩!」
「いや、大した時間待ってないから心配すんな・・・」
謝る黒羽はいつもとは違い、完全武装をして来たのか、化粧や香水などの匂いもする。
俺はうまく目を合わせる事が出来ず、目をそらしてしまった。
そんな俺を見て黒羽が
「あっ!もしかして先輩、梓の格好を見て照れてますね!そうですよね、こんな可愛い子を捕まえてこれから一緒にデートをするんですから!そりゃあ緊張しますよね」
と某青春ラブコメにてでくる、あざと可愛い小悪魔系後輩を彷彿とさせている黒羽に、俺は何も言い返せなかったのは言うまでもない・・・
「まぁ、揶揄うのはこの辺にしておくとしてそれじゃあ先輩!いきましょうか!」
そう言うと黒羽が俺の腕にくっついて来た
「なっ!おい黒羽、何やってんだ!」
「へヘぇ~ん、別に良いじゃないですか!へるもんでもないですし!」
「いや、くっつき過ぎだって!歩き辛いし、それに・・・」
「それに、なんですか?」
「ま、周りの視線が痛い」
そうなのだ、ただでさえ陰キャな俺と超絶美少女の黒羽が並んでいるだけでも周りの視線を集めるのに、黒羽がくっついて来たせいでさらに男どもから嫉妬の視線を感じるようになった。
ちなみに、残念な事にまな板の為、腕には当たってはいない。何がとは言わないが・・・
(やべー、帰りてー!)
俺がそう思っていると、黒羽が
「梓は別に気にしませんよ!周りの視線なんか全然!」
「だけどなぁ・・・」
「そんな事より早く行きましょうよ!」
「まぁ、黒羽がいいなら別に構わないけどさ」
「はい、梓は一向に構いません!むしろ先輩とラブラブの所を見せつけられてラッキーなくらいです!」
黒羽は満面の笑みを浮かべながら言う。
(くそう、一瞬めっちゃときめいちまったぜ!流石は小悪魔系ロリ後輩だ!)
やはり、自分は可愛いと自覚している女子は強いのだと思い知らされる俺だった。
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