大会後
優勝した南ちゃんは今まで見たことないようにはしゃいでいる。
そしてこちらを見てから手を振りそして拳を突き上げた。
「カッコいいわぁ、南ちゃん!」
思わずそんな事を口ずさむと隣の東子ちゃんが突っ込んでくる。
「あれ?キム兄もしかして南姉さんに惚れた?」
「はっ?そんなわけないだろ!ちょっとカッコいいと思っただけだよ」
「ふーん。でもこれで南姉さんとデートに行くんだねよ?」
「ああ、そうゆう約束だしね。と言ってもデートには行くけど東子ちゃんが思っているような感情は俺には無いよ。それに、東子ちゃんとの約束もあるでしょ」
「それも、そうね・・・・ねぇキム兄、この際だから聞いときたいんだけど、なんで私や南姉さん、それに芽依ちゃんとかと壁を作ってるの?」
「何のことかな?」
「惚けてもダメだよ。私にはお見通しだよ」
「はぁ、そりゃそうだよな。なんせ東子ちゃんも前は壁作ってたもんね」
「そ・う・ゆ・う・こ・と・よ」
「自慢げに言うなよな」
「ほら、早く言っちゃいなよ!」
「そうだねー、うん取り敢えずヒントだけ教えてあげるよ。やたらとプライドの高い、女子の嫉妬って怖いよね」
「それって・・・」
「はい終わり!もうお終いだよ、あとは自分で考えてね。ほら下に行くよ」
「う、うん」
東子ちゃんと話していると閉会式が終わったので俺たちは控室へと入り師範や南ちゃんの元に行く。
「おめでとうございます師範。それに初優勝おめでとう南ちゃん!」
「感謝するよ木村君。応援ありがとう」
ちなみに師範は開始1分の段階で既に優勝していた。
(マジで化け物だよな、この人)
俺が師範と握手していると南ちゃんが
「ありがとう木村君!私は約束守ったんだから木村君も守ってね」
ちょーかわいい笑顔を俺に向けながら上目遣いで言ってくる。
(何この人可愛い、めっちゃ可愛い。何この生き物)
「ああ、勿論だよ南ちゃん」
「やったー!」
やがて師範が手を叩きながら
「それじゃあ私たちはそろそろ帰るけど木村君はどうする?」
「はい、自分はこの後、大事な用事がありますのでここで失礼します」
「そうか、それじゃあ戻ったら連絡をしてくれ、道場で祝勝会を開くから」
「分かりました」
俺は葵家の面々と別れ会場近くのカフェで紅茶を飲んでいた。
しばらくして、帽子とサングラスを付けた男がやってきた。
「悪りぃキョー、遅くなっちまった」
「いや、そんな待ってないよリュー。それじゃあ行こうか」
「本当に良いのか?お前ん家に行って?」
「ああ、家族にはもう言ってあるしな!あっ!でもお前の事は知らないから多分面倒だと思うけど」
「そこは大丈夫。そうゆうのは慣れてる」
「流石は天下の氷室龍一だな」
「まぁな!それより早く行くべ」
「オッケー」
俺はリューと一緒に電車に乗り、実家へと向かった。
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