バレた親友
午前中の試合が全て終わりベスト8が決まった。今はお昼休憩である。
俺はこの隙にリューのいる楽屋に行くため関係者用の階段を降りようとすると後ろから肩を叩かれる。
驚いて振り向いてみるとそこには東子ちゃんがいた。
「なんでいるの?もしかしてつけてきた?」
「いえ、偶々見つけて声かけようとしたらなんか関係者用の階段の方へ行ったからつい」
「はぁー。全くここまでついてくるとは東子ちゃんって以外と行動力あるよね」
俺が呆れていると東子ちゃんはドヤ顔で
「ふふん、まぁね!」
「いや褒めてねーからね。全く」
「それで、どこに行こうしてたんですか?」
「・・・秘密」
「キム兄、ぜんぜん可愛くないよ。むしろちょっとキモい」
「ひどっ!」
「そんな事よりどこ行くの?」
「分かったよ!教えてあげるから誰にも言わないでね。後で大変だから」
「分かった!約束するよ」
俺たちは階段を降りていく。途中で警備員が立っていたけど名前を言ったらすんなり通してくれた。多分リューが話を通してくれていたんだろうな。
流石は頼れる男だぜ!
しばらく歩いていると楽屋に到着したので扉をノックする。すると扉が勢いよく開いて中からリューが出てきた。
「オッスーキョー!よくきてくれたな!待ってたぜーって・・・キョーが女の子連れてるー!しかもどう見ても年下。え、お前ってまさかロリコっぷへ!」
とんでもないことを言いかけたリューの腹に一撃を喰らわせて中へ入る。
「イッテェ!何すんだよー」
腹を押さえながらリューが理由を聞いてくる
「お前がいきなりとんでもないことを言いかけたからだろうがー」
「で、そこの女の子は誰?」
するとリューが東子ちゃんの事を聞いてきた
「ああ、この子は」
俺が紹介しようとしたら東子ちゃんはハイテンションで
「あ、あの![RIZIN]の氷室龍一さんですよね!うっそ!やっば!どうしよう!」
謎のクネクネダンスをしている東子ちゃんに若干引きながら2人で話を進める。
「なぁ、あの子やばくね?」
「いや、普段はもっといい子なはずなんだけどなー」
「どうすればいいのコレ?」
「取り敢えずそっとしとくか」
しばらくしてようやく治った東子ちゃんをリューに紹介して3人で話始めた。
「それで、なんでキム兄が氷室さんと知り合いなんですか?」
流石に俺の曲を提供したなんて言えないのでこうゆう時のための作り話を伝える。
「こいつとは最初カフェで出会ったんだよ。それでお互い意気投合してこうして会う仲になったんだよ」
「へぇー、氷室さんならカフェってのも分かりますがキム兄ってカフェとか行くんだね」
「失礼な!こう見えてもスイーツ専門のブログを書いて結構人気なんだぞ!」
俺の発言に対して明らかに疑っている東子ちゃんにリューが
「そうだぞ東子ちゃん!こいつ甘いもの大好きだからよく一緒に行くんだよ!最近じゃ家でも作るくらいだしな!」
「そうだったんだ。ちなみにそのブログってどんなの?」
俺はスマホを見せる
「この、【スイーツ男爵の甘味巡り】ってやつだよ」
「えっ!このブログって最近友達とかクラスの女子の間で流行ってるやつじゃん!」
「へぇーそうなんだ?そう言えば最近ブログの閲覧数が伸びてるしなー」
「キム兄って実はすごい人だったりする?」
「おう!キョーは凄いやつだぞ!俺が保証してやる!」
「サンキュー!てかなんで俺を呼んだの?」
「そうだった、そうだった!実は昼飯が1人飯だから一緒にどうかって聞こうと思ってな」
「それなら別に良いけど、東子ちゃんは?」
「大丈夫です!」
こうして俺たち3人は一緒に昼食を取った。
その後東子ちゃんから今回のことを秘密にする代わりとある約束をさせられてしまう。
後にこの約束により、俺が大変な目に遭うとは全く思っても見なかった。
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