父さんと母さん
少し長めです
ここで木村家について説明しよう!
木村家は戦後の動乱期に不動産関係や土地関係で財を成した一族だが今では幾つかの土地を持っているだけで誰も不動産関係の仕事はしていない。
祖父母は5年前に他界し、現在は俺の両親と日和の両親が住んでいる。
実家は東京の世田谷の一等地にあり、はっきり言って豪邸だ! 確か広さが東京ドームと同じだったかな?
豪邸といっても大正時代に作られた洋館を何度かリフォームしているので作りが少し古臭いが離れや倉にプールもある。
門を通って玄関先まで着くとエリーナさんが
「とうちゃーく!ささ、2人とも降りて降りて!」
「やっと着いたー!途中で眠くて眠くて」
「全くもー、日和は相変わらず車に弱いわね」
「う、うるさ~いしょうがないじゃんお母さん!これでも酔わないだけマシなのよ!」
「ありがとうございました。エリーナさん」
「いいのよ、先に行っててね。私は車を車庫に入れてくるから!」
俺と日和は車から降りて玄関を開ける。すると
「おかえりー!2人とも久しぶりね、元気だった!」
出迎えてくれたのは俺の母親で人気料理研究家の「木村佳代」43歳
見た目がとてもアラフォーには見えないがれっきとしたアラフォーでその事を話すと機嫌が悪くなる。
「ああ、ただいま母さん。久しぶりだね」
「お久しぶりです叔母様。ただいま帰りました」
「うんうん、元気そうで何よりだわ!京、正樹さんが書斎にいるから挨拶してきなさい。
日和ちゃんは荷物を置いたらお昼の準備手伝ってくれる?」
「はい叔母さま、かしこまりました」
日和は荷物を持って部屋へと向かった。
「わかったよ母さん。行ってくる」
俺は一階の1番奥の部屋へといき扉を叩く
コンコン!!
「どうぞ!」
と聞き覚えのある野太い声が聞こえる
扉をを開け書斎にの中を軽く見回す。壁一面に並べられた本にアンティークの椅子と机、中央にテーブルとソファが置いてあり、椅子に座り机の上で書き物をしているのが俺の父親の「木村正樹」45歳
職業は警察官
黒髪短髪でがっしりとした体型でとても四十代には見えない上、警察内の柔道と合気道の大会で毎年上位の成績を収めている。
警視庁捜査一課の刑事でその風貌と犯人を追い詰める姿勢から「鬼デカ」と言う異名を持ち何度も表彰されておりその度に昇進の話がくるらしいが全て断っているそうだ。
厳格な性格と真面目さで部下からの信頼が厚く他県の刑事とも交流があり、なんでも一課長が同期だとか警視総監が元先輩だとかでどちらとも交友があり俺も何度か会ったことがあるらしい。
とんでもない人脈チートの持ち主だ!
「入ります。ただいま帰りました父さん。お久しぶりです」
俺は丁寧にお辞儀をしながら挨拶をする。
我が家では久しぶりに会う人にはこのような挨拶をするのが通例だ。
「久しぶりだな京。1年振りだがあまり変わらないな」
父は笑みを浮かべながら喋り出す
「そりゃこの年になればあまり変化はないよ父さん」
「ははそうだな、久しぶりの息子に少し舞い上がってしまったようだ!取り敢えずソファーに座ってくれ、今お茶を出すよ」
と言って椅子から立ち上がりお茶の入っているポットの方へと歩いていく。
(相変わらず鍛えているよなこの人は)
歩き方や体つきを見てそう思えるほど父はがっしりしている。
子供の頃から父に連れられて柔道や合気道をやってきたけど父にも勝ったことがない。
お茶をくみテーブルに置くとソファに座る
お茶を飲んでいると父が口を開いて
「それで大学の方はどうだ?」
「うん、問題ないよ。去年は単位も問題ないし、俺の書いた論文が校内選考で結構いいところまで行ったんだ」
「そうか、それは良かった。他にはどうだ?」
「うーん、ああそう言えば去年から道場に通い出し始めたよ」
「ほぉー、何の道場だ?」
「葵流道場だよ!師範が何度も大会で優勝してるから父さんも知ってるんじゃいないかな?」
「なに、葵流だと!確かにあそこの師範のことは知っているぞ!あそこの師範はいける伝説、無敵の男と言われる程だからな」
「へぇーそうなんだ!流石は師範だなぁー・・・今回の帰省も師範が大会に出るから応援しに行くのに戻ってきたってのもあるけど」
「どうやら楽しくやっているみたいで父さんは嬉しいよ。まぁゆっくりして行きなさい」
「うん、ありがとう父さん」
久しぶりの父さんとの会話を終え、俺はお茶を飲み干して書斎を出てリビングの方へ向かう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます