サプライズは大切に



 今日は待ちに待った日曜日だ!


 俺はいつもの様に朝食を作り日和が来るのを待つ間に身支度を整える。今日は久しぶりにリューと一緒にツーリングをする予定なので楽しみだ。


 そうこうしているうち日和が来てご飯を食べた後、日和は自分の部屋へと戻る。


 なんでも友達と買い物に行くそうだ。


 一通りの家事をこなしてから、ツーリング用の服に着替え愛車に乗り待ち合わせの場所まで行くと、そこにはすでにリューがいた。


「悪い、遅れたか?」


「いや、時間通りだわ! 俺が早く来過ぎただけ」


「そりゃ良かった。それじゃあ行きますか」


「ああ、今日は熱海までだったよな?」


「その予定だけど、他に行きたいところとかあるか?」


「大丈夫だわキョーに任せるよ」


「なら俺が先行で行くからついてきてくれ」


「任せた!」


 こうして俺たちの楽しいツーリングが始まった。


 凡そ1時間ほど走らせていると、目的地の熱海に到着したので、俺達は漁港近くの定食屋で昼食を取る事にした。

 定食屋は空いていたのですぐに座ることができた。


「すみません!注文お願いします」


 メニューを見ているとリューが店員を呼ぶ。


「はーい!」


「海鮮丼セットをひとつお願いします。やっぱり海まで来たら魚食わなきゃな! キョーは何頼む?」


「やっぱり刺身定食かな、新鮮な魚を食べたいしね」


「だよなー」


暫くして頼んだ料理が来た。


 リューの海鮮丼は9種類の魚貝が乗っていてまさに宝石箱の様だった。俺の刺身も素晴らしい鮮度だと一眼で分かる程だった。


 食事を終え、近くにある温泉に入りお土産を買ってから絶景スポットへと向かった。

 時刻は16時を回っていて夕日が綺麗だった。


「リュー、丁度見頃だったな!」


「ああ、やっぱりキョーに任せて正解だったわ、こう言うの見ると感動するよな」


「分かるわー、なんか生きてるって思うよな」


「あはは、キョーらしいな」


夕日が沈むまで見ているとすでに18時を回っていた為、俺達は急いで帰りの準備をし、バイクを走らせる。


 俺はマンションに着くと大急ぎで夕食の準備をし、日和が来るのを待った。


「おいおいキョー、何でそんな緊張してんの?」


俺の隣でリューが笑いながら肩を叩く。


「いやいや、そりゃあ日本一のアイドル

を紹介するんだから当たり前だろ?」


「それもそうか?」


「それに今日は日和に渡す曲も用意してるから余計な・・・」


「へぇー、どんな曲?」


「それは日和が来てから話す」


ピンボーン!!


 インターホンがなり俺は日和を確認すると鍵を開ける


「お帰り日和、さぁ入ってくれ」


「ただいまですキョー兄、美味しそうな匂いがしますね」


「さあどうぞ」


「? なんか今日はよそよそしいですよ、誰かいるのっ–––––きゃぁぁっ!!?」


 日和はリビングにいるリューを見て黄色い悲鳴をあげる。


「えっ、えっ、えー!? あ、あの、氷室龍一さんですよね[RIZIN]の? 何でキョー兄の部屋にいらっしゃるんですか?!」


「初めまして日和ちゃん。キョーの唯一の親友をやらせてもらってる氷室龍一だ! 気軽にリューとでも呼んでくれ」


 リューは右手を差し出す。


「はっはい! よろしくお願いします」


 日和は差し出されたリューの手を握る。


「キョー兄! リューさんがいるなら、いるって教えてくださいよ!」


「悪い悪い、驚かせようと思ってさ!」


「もー意地悪です!」


「まぁそう言わずにさ、食事にしよう」


 その後は食事を楽しみならがたわいない会話をしてからいよいよ日和に曲を渡す。


 ちなみにこの前誕生日が過ぎて成人になったリューはすでに酔い潰れて寝ている


「日和、取り敢えず日和の為に作曲して音を作ったから歌詞を考えてくれ」


「??? えーー! 私が作るのキョー兄?」


「ああそうだよ。この曲は日和のための曲だからね、日和が考えて、歌って、ようやく完成なんだよ」


「わ、私頑張ります!」


 日和は目に見えるくらい闘志を燃やしていた。

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