助教授と突然の来訪者
講義が終わり、俺がすぐに帰ろうとすると、
「あっ!木村君はちょっと残ってね」
と、悪魔の声が聞こえてきた。
・・・・そして誰もいない講義室で俺は今、葵助教授と二人っきりでいる。他所から見れば血涙が出る展開だが俺にとっては地獄そのものだ!
何故ならば・・・
「……それで、どうして俺だけ残されているんですか? 課題やレポートはちゃんと提出してる筈なんですが?」
「言わなくても分かってるでしょ?」
「……さぁ? 全然、これっぽっちも分かりませんね」
「それじゃあ言わせてもらうけど、いい木村君! なんでまた、そんな根暗な格好しているの? 貴方もっとカッコいいんだからちゃんとしなさい!」
「えー嫌ですよ、南ちゃんだって知ってるでしょ? 俺が人と関わるのが嫌いだって!」
南ちゃんは、俺がわざと陰キャの格好をしている事を知っている数少ない人物の一人であると同時に、俺の本来の性格を知っている仲なので、こうして二人の時は口調が崩れる。
「勿体無いわね、まぁ木村君がいいなら私からはもう何も言わないけどさぁ……でもねぇ・・・」
「そうしてくれるとありがたいですよ。でも、もし今度同じこと言ったら、もう俺は道場には金輪際いきませんからね!」
俺がそう言うと南ちゃんは打って変わって、涙目になりながら俺の脚にすがりついてきた。
「ごめんなさい~もう言わないからそんな事言わないで、お願い木村君! 木村君じゃないと私、満足出来ないのよー!!」
「ちょっ! 誤解を招く発言はやめてくれ南ちゃん! わかった、わかったからさ」
「ホント、本当に本当?」
「本当だよ!」
俺はこんな格好しているからか、入学初日に先輩に絡まれてしまい、仕方なくそれを撃退したところを南ちゃんに見られてしまう。
そしたら何故か、南ちゃんから道場に誘われ1年前から俺は南ちゃんの父親が師範を務める葵流道場に通っている。
何故、道場に通うのをやめようとしてどうして南ちゃんがあんなに必死なのかと言うと、南ちゃんが強すぎて道場で相手になるのが師範である父親か俺くらいしかいないからだ。
南ちゃんは寂しがり屋なのかな?
ようやく落ち着いた南ちゃんを振り解き帰ろうとするとリューからRINEが来ていた。
【わりいキョー、急に仕事が入っちまったから行くわ!鍵はいつものとこに置いとく】
俺は【了解】と送り返してマンションへと帰る。すると俺の部屋の前に金髪巨乳の女の子が座っていた。
「あの~俺に何か用ですか?」
俺が恐る恐る聞くと女の子はいきなり
「あっ!キョー兄!やっと会えたー」
と抱きついてきた。
あれ~? これって通報案件じゃないですかね?
「????・・・ちょっ、ちょっとまってくれ誰?」
「酷いです! 忘れたんですか? 私ですよ、従妹の日和です! 4年振りですねキョー兄!」
「日和ってあの日和か?」
「そうです! あの日和です」
日和はドヤ顔で頷く
「驚いた、大きくなったな」
俺は無意識に頭を撫でる。すると
「えへへ、こうやってキョー兄に頭を撫でて貰うのは久しぶりですね」
と嬉しそうに笑っている。
(うん、可愛い!守りたいこの笑顔!)
日和は中学に上がる前に父親の転勤で両親と一緒にアメリカへと引っ越してしまい、その後は全く疎遠になっていた。
「そうだな、いつまでもこんな所で話してないで取り敢えず部屋に入ってくれ」
「分かりました!」
俺は日和を部屋に入れ、紅茶を出して話を聞くことにした。
「所で何で日和はこんなところにいるんだ?」
「ああその事ですがキョー兄宛に父と叔父さんから手紙を預かっていますので読んで下さい」
と日和は、2通の手紙を鞄から出す。
テーブルに置いてある手紙のうち、俺はまず父さんの手紙を読み始める。
【拝啓
久しぶりだな京、面倒な事は兄貴の手紙を見てくれ!取り敢えず俺からは日和ちゃんの面倒を見てやれってことだけだ!よろしくな】
「は????」
色々言いたい事はあるが取り敢えず叔父さんの手紙を読んでみる。
【拝啓
久しぶりだね京君、これを見ていると言う事は娘にあったと言う事だね。
実は今年度から日本に戻れる事になってね!本当は一緒に住みたかったんだけど、こっちの方だと日和にあった学校がなくてね。
それで調べてみると日和の学力にあった高校が君のマンションの近くにあるじゃないか!だから君の隣の部屋を借りる事にしたんだよ。
でも日和はあまり料理や掃除が得意じゃ無いからぜひ君にフォローをしてほしいんだよね。
勿論僕らからも支援はするからよろしく頼むよ】
読み終わりしばらく考えてから
「・・・・マジ?」と聞く
「はい!よろしくお願いしますキョー兄」
こうして俺の隣の部屋に金髪巨乳の従妹が住む様になり俺はこの子の食事の面倒も見る事になってしまった。
だけど俺は言いたい
どんなラヴコメだー!!!
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