デデミ短編
@dedeyanium
声劇台本:ブラックファイブ(掃討戦へ向かって)
男2:不定2:女2:
役
レッドワン(男)(以下レッド)「燃え盛る炎のエネルギー!レッドワン!」
:戦闘部隊レンジャーファイブのリーダー、熱血で優しく、常に人命を最優先する。優れた人格を持っているが、感情的で盲目的な面もある。口癖は「死んでいい人間はいない」
人間離れした運動能力、熱と冷気に耐性がある
ブルートゥース(不定)(以下ブルー)「凍てつく吹雪のブリザード!ブルートゥース!」
:戦闘部隊レンジャーファイブのメンバー、冷静で優しく、状況判断に長ける。繊細で疲れやすい。
氷を纏って攻撃を受け止める、熱と冷気に耐性がある。
イエロースリー(女)(以下イエロー)「輝く光のサンシャイン!イエロースリー!」
:戦闘部隊レンジャーファイブのメンバー、献身的で優しく、思いやりに溢れた性格だが、仲間に対して強く出れない。
傷や病気を癒す光を放つ
ブラックファイブ(男)(以下ブラック)「立ち籠める雷雲!ブラックファイブ!」
:戦闘部隊レンジャーファイブのメンバー、メンバーに辛く当たるが、その実、誰よりも仲間のことを想っている。
視界を奪う、電撃、
グリーンフォース(男)(以下グリーン)「伸び上がる大樹のパワー!グリーンフォース!」
:戦闘部隊レンジャーファイブのメンバー、おおらかで優しく、頼り甲斐のある人物。
一年前に墜落する旅客機を受け止めて亡くなっている。
怪力
人工知能DENPA(以下デンパ)(不定)
レンジャーファイブのサポートを行うため開発された人工知能。要救助者の検知など、さまざまな機能を備えている。
怪人A(不定)
東京B地区にて爆破及び放射能汚染の凶悪事件を起こした怪人で
悪の組織「アポカリプス」の元構成員。地球人への復讐を目論む
怪人B(男)
東京C地区にてガス攻撃を計画した怪人で
悪の組織「アポカリプス」の元構成員。地球人への復讐を目論む
若者ォ(不定)
東京B地区で燃え盛るビルに取り残された一般人、レッドに救助される。
女ァ(女)
東京B地区で燃え盛るビルに取り残された一般人、レッドに救助されるが重い怪我を負った。
兼役について。
兼役をする場合
若者ォ、怪人A、グリーン、怪人Bの役。
デンパ、女ァの役。
をそれぞれ同時に演じる事を推奨します。
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デンパ「東京B地区ニテ怪人ニヨル大規模爆破、及ビ放火発生、放射能発生ノ可能性アリ。レンジャーファイブ、至急現場ニ向カッテ下サイ。」
若者ォ「助けてくれっ…火がそこまでっ…早く!!」
レッド 「俺が受け止めます!勇気を出して飛び降りてくださいっ」
若者ォ「は、はいっ!うわぁっ」
レッド「とうっ!よっし、怪我はありませんか?」
若者ォ「背中に火傷が…」
レッド「分かった、イエロー!すぐに治療を!」
イエロー「任せてください!…レッド、ブラックはどこに…?」
レッド「…分からない!!今は救助に集中しろ!」
イエロー「…はい!」
レッド「他に救助が必要な方はいませんか!!声が出せなければ近くの物で壁を叩いてください!」
ブルー「いたぞ!あのビルだ!!…でもあんな高いところに。それに今にも崩れそうで!」
レッド「今行きます!!!」
女ァ「お願い!助けて」
レッド「わかりました!飛び降りれますか!?」
女ァ「(食い気味に)できない!足を怪我して!、それに夫が倒れてるの!!」
レッド「なっ!?、くそっ…すぐにそっちに行きます!口を布で押さえて待ってて!ブルー!一人じゃ運べない!一緒に来てくれ!!」
ブルー「分かった!今行く!」
ブラック「(俺たちは悪の怪人組織、「アポカリプス」に対抗するために結成された特別戦隊、レンジャーファイブ。一年前、俺たちはアポカリプスの母船に乗り込み、総統グラニールを討ちとり、そこで俺たちと怪人組織との戦争は終わった…と思っていた。)」
ブルー「…ハァっハァっ…やっぱりすごい煙だ…これ以上は危険だレッド、彼女たちも間に合うかどうか」
レッド「それがなんだブルー!死んでいい人間なんて一人もいない!あと三階だ、急ぐぞ!」
ブルー「…っ」
女ァ「あなたっ!あなたぁ!」
レッド「イエロー!」
イエロー「…。」
レッド「ダメか…」
女ァ「あなたぁ……」
ブルー「イエロー、この人は僕が避難所へ送る、デンパは君に預ける。いいね?」
イエロー「はい…」
ブルー「あなただけでも助かって良かった。すぐに避難所へ送ります。…背中につかまってください。」
女ァ「だめ、だめよ!夫が!だめ!」
ブルー「くっ…お願いです。避難してください、まだ倒壊の危険があるんです。」
女ァ「………たすけてくれて…ありがとうございますぅ…ぅぅ(震えるようなやりきれないような声で)」
ブルー「…ッッ。 はい。。。」
ブルー「…ごめんなさい」
ブラック「(アポカリプスの元々の目的は侵略、自らの星を失い、住む場所を求めて地球に攻めてきた。武力を示し、お互い最低限の損害で…日本、朝鮮半島、おそらくだが東南アジアも…開け渡させるつもりだったんだ。元々総力戦をやるつもりは、お互いに無かった…。
空に浮かんでいる奴らの母船は、もはやまともに機能していない。あと数ヶ月で燃料が尽きて墜落する、幹部、技術者、司令官は俺たちで全員殺して、主要システムも破壊した。……不味かったんだ。…それが。
…司令官と技術を失い、もはや滅びゆくのみの残党たちは……ゲリラと化した。)」
レッド「この地区の要救助者は!」
デンパ「ソノ場ヲ離レテクダサイ!ソノ場ヲ離レテクダサイ!」
イエロー「もういません!レッド、汚染濃度が基準値を超えてます!」
レッド「分かった。ここはもう離れよう。走るぞ!」
イエロー「……デンパが反応してる…レッド、向こうに生体反応が…三人、一人はおそらく怪人、一人はブラックです!」
レッド「そんなに遠くに行ってたのか…。すぐに向かおう、ピンチかもしれない!」
ブラック「残党たちは日本の各地に息を潜め、日本中で大規模なテロを起こした。アジアの降伏が目的だった頃とはわけが違う、みるみるうちに破滅的な方へ、もはや自分自身の命すら弾数として扱い始めた。」
ブラック「奴らの狙いは、もう俺たちを倒すことじゃない、住処の確保じゃない、人類への復讐なんだ。」
ブラック「俺たちの仕事は、怪人との戦闘から後手後手の救助に代わっていった」
怪人A「ぐっ…まだ、まだだっ…まだ!」
ブラック「その転送装置、チャージの必要な旧型か、あと3分は使えないな、覚悟しろ…。」
怪人A「ぐぅっ…!!ハァ、ハァ、動くな!!動くなよ、見えないか、少しでも足を動かせばこのガキの命は無い!」
ブラック「懐かしいな…その感じ、お前らにまだ総統がいた頃みたいだ」
怪人A「貴様らのせいだ!フフッ…今日本中でテロが起こってるのも!このガキが死にそうなのも!」
ブラック「お前らがどう足掻こうと、怪人供に未来はないぞ。」
怪人A「ああそうだ!我々に未来はない!だがタダでは滅びないぞ。まだやり返し足りない!!同胞の無念と、俺たちの生き地獄の恨み、全てをぶつけてからだ!ガキの命が惜しければ…」
イエロー「反応が近い!この先です!」
レッド「待ってろブラック!今行くからな!」
ブラック「なりふり構えなくなったのは、あんたらだけじゃねえんだよ!!!」
怪人A「がっ!?貴様っ!!!ガキごと!?…貴様は正義の味方だろう!…馬鹿なァっ…」
ブラック「…さぁ…どうなんだろうな……。」
怪人A「くっ、ガッ……!まだ、まだだ……ァ…グラニール…様ァ…」
ブラック「…地獄に…落ちてくれ……」
ブラック「…あぁ…ごめんなさい…ごめんなさい。こうするしか…」
ブラック「先に、帰っておこう…みんなとは…」
レッド「ブラック…」
ブラック「!!」
レッド「……何…やってる」
ブラック「…。」
レッド「今、撃ったのか、人質に取られた子供ごと…。」
ブラック「レッド…」
レッド「お前っ、自分で何をやったのか分かってるのか!」
ブラック「痛っ…レッド、俺は。」
イエロー「ダメです、出血が多すぎて!」
レッド「ブラック!!!」
ブラック「ぐっ…落ち着け!こうするしかなかったんだ!!」
レッド「そんなことがあるか!!死んでいい人間なんて!!」
ブラック「仕方ないだろ!!」
レッド「死んでいい人間なんていないんだぞ!」
ブラック「おまえは口を開けばいつも!」
イエロー「二人ともやめて!!!」
ブレッド「……。」
イエロー「一旦…納めて…今日は大変だった、規模も汚染も、死者もたくさん出た、だから、二人とも疲れていると思うの、だから一旦休もう、」
レッド「…。」
ブラック「……。俺は残党がまだ残ってないか、探してから帰る…。」
デンパ「オ帰リナサイ、レッドワン、イエロースリー。今回被害ニ遭ッタ民間人ノ内、死者ハ36名、行方不明2名、ケガ191名、…58人ノ救助ニ成功シマシタ。」
ブルー「おかえり…レッド、あの主婦さん、もう歩けないそうだ。…避難所に運ばれる間もずっと旦那さんの名前を呟いててさ。」
レッド「そうか……。それは、残念だ。」
レッド「…それでも俺たちは…」
ブルー「レッド……僕は、もう疲れた、暴れた怪人を倒せば良かった頃が懐かしいよ、助けても助けても、助けきれなくて、またどこかで爆発が起こって。いつまで続くんだよ。これ。」
レッド「軍との協力を…」
イエロー「レッド、無理ですよ。」
デンパ「貴方達レンジャーファイブガ結成サレタノハ、アポカリプスノ最初ノ侵攻デ軍ガ壊滅シタカラデス。運用可能ナ部隊ハ主要都市ニシカ配置サレテイマセン。」
ブルー「今僕たちが動いたところで、ジリ貧だよ。」
レッド「どうしちまったんだよお前ら、俺たちは正義の」
ブルー「分かってる、僕らは正義の味方、人を助けないといけない。」
レッド「だったら」
ブラック「赤の他人がそんなに大事か」
レッド「ブラック!」
デンパ「オ帰リナサイ、ブラックファイブ。潜伏シテイタ アポカリプス残党4名ノ撃破、オ疲レ様デス」
イエロー「そんなに残ってたんだ…」
ブラック「あぁ、一人も逃すわけにはいかない。逃したらまた、奴らはどこかで人を殺す。」
レッド「それが子供を撃った理由か。」
ブラック「そうだよ、そうだ。他に方法があったか?」
デンパ「ブラックファイブノ能力ヲ使ッテ視界ヲ奪イ、急接近スル事デ怪人ノ撃破ト民間人ノ救出ノ両立ガ可能デシタ。」
レッド「やはり…お前が子供を撃つ前にそれを試していれば…」
デンパ「ソノ作戦ノ場合概算20%ノ確率デ、ブラックファイブハ命ヲ落トシマス」
ブラック「だそうだ、あの時、あれ以外に確実に怪人を仕留める方法は無かった。」
レッド「それが子供を犠牲にしていい理由になるか!!自分の身の安全のほうが大事か!」
ブラック「そうだよ…一人の子供の命より、ウン百人の命を救える俺たちの命の方が大事さ…」
レッド「師匠の残した言葉を忘れたか!!師匠が逝かれる前に残したノブレスオブリージュの話を!」
ブラック「…それがなんだ、それで…グリーンは死んだんだろ」
イエロー「ブラック!グリーンの話は!」
レッド「お前っ!!」
ブラック「ガッ…ゲホッゴホッ。違うか!」
レッド「このっ!…ブルー!離せ!」
ブルー「やめろレッド!!」
----(回想)----
ブルー「…あんな大きな…どうすれば」
グリーン「おれが受け止める!みんなはその後を頼むよ」
ブルー「無理だグリーン!いくらお前でもアレは!」
グリーン「大丈夫、おれは『伸び上がる大樹のパワー!グリーンフォース!』だ!それに師匠の言葉を思い出せ、『強きものは弱きを助けてこそ強くあれる』。この力を今使わないで、なにが正義の味方だ!」
ブラック「おい!あいつ限界だ!」
レッド「全員助けた!全員助けたぞグリーン!お前も早く!」
グリーン「フンッ………フゥッ…ごめん!みんな!…グウッ…先に離れてくれ!」
ブルー「待て、待てダメだグリーン!」
レッド「だめだ、グリーン!戻って来い!」
ブルー「イエロー頼む!グリーンを」
イエロー「うぅっ…ダメですっ……内臓が完全に…うわぁぁぁぁん!」
----(回想終わり)----
ブルー「ブラックの…言う通りだ…グリーンは墜落する旅客機を受け止めて、中にいた数十人を助けた。でももし今グリーンが生きてたら、あのときグリーンが旅客機の下敷きにならなかったら、数十どころか、今頃千人の命は救ってるよ。グリーンは、自分の命を軽く見すぎてた……目の前の人間を救うよりも重要なことはある…。」
イエロー「だからレッド、ブラックを責めないで。」
ブルー「レッド、僕らは超人だ、でも機械じゃない。無敵じゃない。いずれ限界が来る、休もう、特に君だ。目のクマ、こけた頬、見ればわかる、君は限界だ、休もう。次の爆発は……見過ごすんだ。」
レッド「民間人達を見捨てろって事か!?」
ブルー「違う!回復したら、また人を助けよう!、それでいいだろ!」
レッド「ダメだ!」
ブルー「お前がいなくなったら、誰が人を助けるんだ!」
ブラック「…」
ブラック「仕方ないな…」
レッド「ブルー…。でもダメだ、見捨てるわけにはいかない」
ブラック「なぁレッド、」
ブルー「…おい。…よせよ。」
ブラック「……俺はもうついていけない、俺はここを辞める。」
ブルー「ブラック!!(食い気味)」
イエロー「こんな時になんてことを!」
デンパ「レンジャーファイブニ脱退ハ許可サレテイマセン」
レッド「やめたきゃやめろよ!」
ブルー「やめろレッド!」
レッド「俺はお前を許してないぞ…お前のやり方はダメだ。認めない、死んでいい人間なんていないんだ。」
ブルー「レッド!僕たちは!」
ブラック「そうか、じゃあこれでおしまいだな、俺は一人でやらせてもらう」
イエロー「待ってブラック!話を」
デンパ「脱退ハ許可サレテイマセン、直グニ発言ヲ撤回シテクダサイ。然モナクバ拘束プロトコルヲ発動シマス。」
ブラック「デンパ、A13番、44R5G9F、」
デンパ「拘束酵素コ高速プロトトトトトト…オカエeeeオカエリナサマセ、セ、ブラッkkkkkk」
デンパ「プロトコルヲ中dddd中断シマス…」
イエロー「デンパの強制操作キー…どこでそれを。」
ブラック「じゃあな、みんな」
ブルー「待て!ブラック!」
ブラック「元気で…」
----数週間後----
デンパ「東京C地区ニテ怪人ニヨル大規模ナガス攻撃ヲ予測、今向カエバ被害ヲ71%マデ抑制デキマス。レンジャーファイブ、至急向カッテクダサイ」
ブルー「ねぇ…僕らもう三人なんだけど、いつまでファイブって呼ぶつもり?」
デンパ「名称ノ頻繁ナ変更ハ認知率ノ低下、及ビ国民ノ不安感情ノ増大ヲ招キマス」
ブルー「そう、」
レッド「3割しか…抑えられないのか……」
レッド「……いや…関係ないさ。」
ブルー「行くのかい…。レッド。」
レッド「当たり前だ………でも…お前達は。来なくていい。」
ブルー「君が行くなら行くよ。」
イエロー「私も行きます。」
レッド「……そうか、すまない。」
怪人B「グハハ、もう直ぐこの先数十年は汚染地帯!憎き地球人供に鉄槌を下してやる。」
ブラック「ガスの発射はまだみたいだな。」
怪人B「誰だっ!」
ブラック「そうか、間に合ったようで何より。ところで今度はお前が、『逃げ遅れる』番だ…」
怪人B「……来やがったな…レンジャーファイブ!!」
ブラック「悪いな、もう違う。」
怪人B「知るかよ…それよりなんでこの場所を知ってやがる…。情報漏洩には細心の注意を払ったはずだが。」
ブラック「あぁ、『よくない』方法で先回りしたよ。」
怪人B「…ククっ、そうか、正義の味方レンジャーファイブもだいぶ追い詰められているようだな。しかしのこのこ現れるたぁ警戒心がねぇな!こっちが人質を用意してないとでも!?」
ブラック「それが通用するのは、正義の味方だけだ!」
怪人B「ガァっ!!…な!?はぁ!?罪のない民間人なんだろ…?…グフッ…お前は…正義の味方じゃねぇのかよっ」
ブラック「それはもうやめたんでね。」
怪人B「ハァ…ハァ…じゃぁ、何なんだよ…お前は!」
ブラック「(早く、雷撃のように早く、奴らが事を起こす前に)」
ブラック「(レッドが、自らを燃やし尽くす前に)」
ブラック「(ブルーの心が凍える前に)」
ブラック「(イエローがこれ以上自らを責めないように)」
ブラック「(みんながグリーンに、手を合わせられるように)」
ブラック「俺はただ、『悪の敵』なんだ。」
~声劇台本:ブラックファイブ(掃討戦へ向かって)。終わり~
デデミ短編 @dedeyanium
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