第22話 通過儀礼_11 第二衛星都市





集めて来た廃棄品の類に火をつけて室内でたき火をした。

建物の外からは本降りに成って来た雪が風と共に舞い込んで来る。

デフォルトは乾パンを食して既に眠る態勢に入っていた。

フィレトはコンクリの壁に背もたれながら例のコブシ大の機械を弄っている。

「繋がりそう?」

フィレト機械を操るの手を止めない。

「機械は正常です」

「通信相手次第、と――」

腹も減っていることだし配給された乾パンをかじる。

もっと早く移動するべきだったような気もするが、此の本降りの雪を見る限り野営で正解だったのかもしれない。此の編成では歩哨も立てられないが、建物の中なので案外見つからないかもしれないと、楽観することにした。

「――通信相手の指令部ってどうゆう組織なの?」

「指令部ですか?」

「盗賊の集まり、じゃなかったっけ」

「まぁ。成さんは今の処」

「違うわけだ」

この異世界では「異敵」、「統合司令部」の二大勢力が戦っている事に成っているが「統合司令部」の統合能力はかなり低下していると考えれらる。「盗賊」が軍による治安治下で成立しているのは一つの証拠と言っていいだろう。

「実は何処かと戦っているのかな」

フィレトは黙って機械いじりを続けた。

答えにくい質問だっただろうか。

フィレトの操作しているコブシ大の機械は昔はやった立体パズルのように分割されていて時々組み合わせを変えては何かを試みていた。入力は概ね音声入力とタッチのようだった。

「ナイの世界ではどうやって発電していますか?」

「火力、水力、原子力、かな」

「火力って燃料を燃やすんでよね」

「それは勿論」

フィレトは再び沈黙した。

弄っていた機械から一辺が二十センチ程の立体ウィンドウがポップアップした。

「何?」

「発電所」

火力と言うより寧ろ原子力の様なコンクリで固められた堂のような建物が中央に在り、トランスと送電線が繋がっていた。

「何を燃やしているの?」

「同志が捕まっています」

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