第2話 エス
Story Checker
天人達が管理する「世界」。
"load 全開"
”resalt 流出中”
”privacy field 消失”
”C-Rが連鎖改竄されます”
「最早これまで」
「秘密が全て溶けていく」
゛C‐R連鎖を小規模単位に分断゛
゛偶発継起処理゛
゛アリアドネ起動゛
゛導きの糸にエレメント代入゛
゛エレメント≓fire fly゛
゛{Sum C-R 1}連鎖中゛
「偶発継起処理。何ができることやら」
「破綻覚悟でも、やれればいい、と思いたい」
天人達が管理する「世界」。
破壊と強奪を欲するLose Rの攻撃は今日も激しいーー
コンビニで小説雑誌を読むやつも珍しいが、たまたま発刊されていたSF雑誌が入荷していたので、斜め読みさせてもらった。
深夜のコンビニ。
広い駐車場に店の標識が鮮やかに光る。
この辺は住宅街で目立った商業施設もない。遊ぶところがないので夜は静か。深夜に動く客が少ないので、コンビニの客も少ない。
ナイが入店すると奥のほうから、いらっしゃいませ、という応対の声が聞こえた。
何を買うか決めてきたわけではない。真っ先に書棚に行って本をザッピングした。
買い物かごに菓子パンとコーヒー牛乳を入れてレジへ向かう。
店員が品物のコードをPOSレジに読ます。
ガイダンスに従って自動レジにお金を支払い、お釣りを受け取る。
「ありがとうございました」
店員の挨拶を背に店を出た。
煌々と光る深夜の青白い月。
輪郭を月に照らされた灰色の雲。
日が昇るまでには、まだある。
菓子パンをかじりながらコーヒー牛乳を飲む。
駐車場から見渡す道路に車両は居なかった。
右手、東の方から、モーター音にも似たバイクのエンジン音が、接近してくる。排気音がだんだん高くなる。
一昔前の50ccのレーサーレプリカに乗ったカジュアル服の女子。
左折のランプをつけたかと思うとコンビニの駐車場に突っ込んできた。
女子はナイの右脇三メートル程の所に駐輪した。ショートの髪が風で乱れて自然乾燥させた風呂上がりの頭のようだった。
身長160cm弱。体重は不明だが、華奢な感じ。年齢は多分十代、中学生、の訳は無いはずだが、ヘルメットをしていない、怪しいところだった。
女子はバイクを降りると店の入り口方向、ナイの方へ真っ直ぐ歩いてきた。ナイなど眼中にない、といった歩きだった、が、ナイの横に来て、立ち止まった。
「これで、食糧を買ってきて」
見ると女子の手に見たことのない、金貨、コインの類が乗っていた。
黙って立っていると、女子は困ったように言った。
「此処は誰の所領?」
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