『 木のきもち 』

アンの町のご神木の桜は、毎年まいとし春になると、ピンク色の大きな噴水ふんすいのように花を咲かせて、人々をよろこばせてきました。



しかし、2000年という年月としつきのせいか、近年きんねんでは、花のつきがめっきりわるくなり、今年ことしの春は、とうとう一分咲いちぶざきにおわってしまいました。



アン『桜雷様は、もう寿命じゅみょうかしら…』

タオ『オレたち、一度いちども満開を見てないからな…』

4人が、円の空間の西の丸窓から見える桜雷様をながめていると、


『みんなに話しておきたいことがある』

ライタが言い、4人をフロアの中央にすわらせて、自分もこしをおろすと、


『これはしんじがたい話だが…』

神妙しんみょうかおつきで語りはじめます。



その内容ないようは、桜雷様が人間にんげん動植物どうしょうぶつなど、AQUAのあらゆる生命いのちとつながっていて、


花を咲かせるには、それらの「幸福こうふくのエネルギー」が必要ひつようだというものでした。



不思議な話をいて、


アン『人間のしあわせが、花の栄養えいようになるなんて神秘的しんぴてきね!』

ホタル『おとぎばなしみたい!』

アンとホタルは、にわかにはなやぎ、


ソウ『でも、桜雷様が一分咲きってことは、オレたちしあわせじゃなの?』

タオ『どうかな?』

ソウとタオは、疑問ぎもんをいだきます。


すると、

世界せかいは広いからな…』

ライタは、とおくを見つめるように言い、

『世界は広いってどういうこと?』

タオが聞くと、


『今日の話はここまで。また時期じきがきたら話そう』

ライタは言って、おもむろに立ち上がると、木の子ハウスの1階へおりていきました。



タオ『桜雷様のところへ行こう!』

アン『うん』

4人は、ても立ってもいられなくなり、木の子ハウスを出ると、


ご神木の桜のところへかけていきました…



つづく。



❀AQUAの問い❀


『植物に感情かんじょう (心) はあると思いますか?』



家族や友だちと話し合ってみて下さい。

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AQUA物語 花の命 (はなのみこと) @aqua-family

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