痛い
母親 「まだ全然準備終わってないじゃない。早く整理整頓しなさい。今日中に終わらなかったら置いていくわよ。」
カズラ 「えー別に全部捨ててもいいんだけど、何で整理しないといけないの。」
母親 「勿体無いじゃない。それ、それは友達に貰ったものでしょ大事にしないと嫌われるよ。」
母は俺が学校で仲がいい友達がいると思ってる。
まあ俺がそう言ったんだけど。
担任の先生に俺は家族にも話してない事を相談する。
俺は昔から少しみんなより頭がいいから周りを馬鹿にしていた。それは、大人も子供も分け隔てなく馬鹿にしていた。家族さえも。
そんな俺がうまく行くわけもなくどんどん問題が増えていった。
こんな奴らと仲良くするくらいなら死んだ方がいいと思うほど。
でも実際に死ぬ事を考えると怖くなる。
そんな俺に先生が言った。
「みんなもあなたみたいに悩んで挫折して成長していくから悩むのは当たり前だよ。だから、大丈夫。」
俺はこの言葉が心底嫌いだ。
何が大丈夫だ。俺は冗談でも死にたいと思ったのに、
それをみんなが思ってるて言うならなんでそんなに楽しいみたいに笑ってんだよ。
俺みたいに疲れた顔してるはずだろ。
そもそもそれが本当ならこんな世の中無くなればいい。
こんなに傷つく事が当たり前なら。この世界は終わってる。
みんな死ねばいい。
心底そう思うけど先生はただの励ましの言葉で言ったのだとわかってるから俺は頷く。
そして俺は頭がいいと言う理由だけでA学校に転校することになる。そして、ヒロと出会う。
こいつも最初に俺が頭がいいなんて言ったから、ああこの子も馬鹿なんだなと思ったが、普通にいいやつだった。
「ちなみに天才の人が自分を天才だと言われるのを嫌がるけど、あれがどうしてなのか俺は分からない。」
「天才は周りに同じ頭の良さを求めて凡人は天才に希望を託すのかな。」
そんな話をヒロに一方的に話したのを思い出す。
俺は、頭が良くても天才じゃないから。
だけど、ヒロは、天才なのかも。
だから話したのかもしれなかった。
転校して3日目
俺にカノイさんが話しかけてきた。
色々と雑談して話がはずみカノイさんをカノイちゃんと言い換えて、そんな時唐突に言われた。
「ヒロ君はね、昔いじめをしていたんだよ。
私もよくからかわれてた。」
俺はその言葉を聞いて、それからヒロとは話さなくなった。
その言葉を信じたわけじゃなかったけど、カノイちゃんにそう言わせる理由があると思った。
そしてその後もカノイちゃんは、俺がヒロを嫌うように仕向けた。
それに俺は気づかず酷い事を言った。
でも、ヒロが犯人じゃないと分かって、俺は手のひらを返す。
自分が言った言葉を全部謝る事で、なかったことにして。
でもそんな都合よくいくはずがないと、思った。
それでも、ヒロは許してくれた。
そして笑みを浮かべて嬉しそうに言ったんだ。
「喜んで」
俺はその時心に決めた。
ヒロは俺が犯人扱いしたにも関わらず犯人を探そうとしてくれた自分がどう思われるかなんて考えないで。
自分が犯人にされようとしてるのに相手の気持ちになって考えていた。
それがどれだけデメリットなことか俺は知ってるから。
俺がヒロにとってのメリットになる。
回想終了
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます