四年前

この世から頑張れと言う言葉がなくなった。


正確に言えば使う人がいなくなり聞く事がなくなった。


その外因はあるお偉いさんの娘さんが自殺した事。


彼女は親が偉大だと言う事以外はごく普通の女の子だった。

学校に通っていて友達もいて頭脳明晰。


でも、ある時歯車が狂った。彼女は学校に行かなくなり外に出歩くようになる。

父親は理由を尋ね。

彼女は理由を話す。


要約すると人生に疲れたという事だ。


親と比べられて外ではいい子で居なければならないと言うプレッシャーに成績も常にトップにたたなければならない。そんな毎日が嫌になった。


父親は娘の気持ちを尊重する。


誰にでも辛い事はあるからそれを乗り越えてみんな明日を生きてるから娘も今は頑張る時なのだろうと、そう思って、そう言って。


父親は学校に行かない事を承諾した。そして外に出る事を容認したのだった。


しかしそれから2週間経って娘はボロボロの姿で疲れ切った表情で帰ってきた。


両親は心配して彼女に寄り添う。


でも、


娘は大丈夫だと信じていつか必ず笑える時が来ると思って言った、


ガンバレと言ってしまった。


次の日

娘は部屋で首を吊っていた。


涙で濡れた手紙を残して。


それには、私はもう頑張る事ができない。明日に希望なんて持てない。だから最後に、最後だから。

勇気を振り絞っていなくなる。



父親は間違っていたと思った。


娘には未来なんてなかった。頑張れと言う言葉に希望なんてなかった。


そして1週間後父親は持てる全ての人脈を使い手段を用いて頑張れと言う言葉を封じた。



ニュース

えーあの出来事から??(時間)が経ちました。

今日、大和道(やまと みち)さんの娘の大和雨(やまと あめ)さんの葬儀が行われています。



テレビの音にカズラは気づかない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る