第4話 国生みの島・淡路
この世は、自分自身である主体と自分自身以外の客体世界とに別れる。
ことばで言うと主体である自分が「あ」で客体である相手が「わ」
現実世界は「あ」と「わ」が織り成す世界であって、あ、わの母音、半母音に、父韻と言われる意識が神(噛み)結んだ時に子音という現象、音が生まれる。
そして、あわのように浮かんでは消え、浮かんでは消える儚い世界でもある。
「あ」と「わ」は物質世界でいうところの素粒子というところになろうか。
「淡い」ので、まだ「あなた」と「わたし」がいるだけでは何も起きていないという事でもある。そして、この物質の最小単位である素粒子、あわの状態は実際の現実世界にも投影する。
これが、すべてこの世の中はフラクタルと呼ばれる所以である。
フラクタルとは自己相似の事。自己の投影が世界である。
なにしろ、淡路島から世界が始まっているという話もある(※)。
物質の最小単位が、自分自身の意識とそれ以外の「あ」と「わ」(淡)だというのも頷ける。
すべての始まりが主体と客体、つまり「あ」と「わ」だとすれば、
あなた自身が、ただただ「ある事」が何よりも尊く、すべての始まりであるという事である。
※国生みの島・淡路は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)が天沼矛(あめのぬぼこ)で下界をかき回し、日本で最初に生まれた特別な島だと言う事。
あなたがいなければ、この文章も存在しない。何故ならば文章から読み取るメッセージは読み手が感じる世界がすべて。
読み手が100人居れば、100通りの世界ができる。
「自分と自分以外のもの」から、すべてが始まり、まだ何も起きていない、「淡い状態」を経て、国(組んで似せる)をつくったのも主体、主体が有ると認識した時点、そして、存在するものが発するメッセージを主体が受け取った時点で、物質は完成する。
どういう事か?
コウモリを例にとればわかりやすい。
コウモリは目が見えていないが、ぶつからずに飛ぶ事ができる。
コウモリと同じように、人間も、飛びはしないが、物質からでている波動を受けとることにより、モノを認識し、見えているすべてを認識する。
一人一人がそれぞれにメッセージを受け取って現象世界を見ているのである。
自分自身が世界をつくり、客体は主体に従うもの。しかし個々で独立している。これはまさに「自分の体全体が主体」、「自分の体の細胞が客体」この関係がわかりやすい。
「地球が体とするならば」起こっている現象は、自分も含めて、「体の細胞組織がそれぞれに活動している」と見てはいかがであろうか。
見えている世界も、自分の体の一部ではあるが、各々は独立して活動している。
「人の振り見て我が振り直せ」や「情けは人の為ならず」は、共通していて、『相手に優しくすれば、自然に自分が癒される』ようになっている。
目の前の現象を癒すという事、
そして、相手を嫌いと思う気持ちや憎む気持ちというのは、自分の癒すところ、傷のようなイメージと言ったところだろうか。
相手に対して感情的に怒っている時は、自分自身にとって戒めのような感じなのだろう。『そんな事をしてはいけないよ』と、結局は自分を戒めている。
相手のように見えて、実は「自分の状態が現れた鏡」とも「自分の体の一部」とも言えるだろう。
自分の内面が溢れでているのが目の前の現象なのである。
そして、世の中の事象はすべて自分自身の内面で起きている事だと言えるであろう。
例えば、全国的に雨が降っていれば、自分の体全体は癒しモード。
局地的な大雨なら、部分的な傷の治癒モード。
全国的に晴れなら、全快、活動モード。
そして、世の中が感染症や犯罪が多いのであれば、それは自身が恐怖に支配されているのかもしれない。
「自分の状態がすべて」なのである。自分自身が神なのである。
恐怖からの支配から逃れる為には、愛の選択をする事。
愛とは、子どもや動物に接するような、無償の愛。I(アイ)でもある。
つまり自分(I・アイ)と向き合い、その内面を全面に表していくこと。
そして神なりとは、言葉の事。言葉を世界に向かって投げかけて、主体も含めた全体、世界を変革していくモードであるといえるのかもしれない。
言葉は世界を創り、変革していく。
体と言葉と意識が世界を創る。これを身口意(しん、く、い)と言うのだろう。
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