最先端のゲーム技術で最高のリアリティを再現したシム・レーシングゲーム『Forza E』。実力がありながらもくすぶっていた青年・水原龍一が、プロとなり世界大会に挑戦するストーリーに夢があり、胸が躍りました。
主人公の龍一はシャイな性格のぼっちゲーマー。一時はワールドレコードを打ち立てながらも、次々と後発プレイヤーに追い抜かれ、自己ベスト更新もままならず、過去の自分のタイムを追いかける不毛な日々を過ごす冴えない青年。
そんな彼が幸運にも韓国のプロチームの目に止まり、世界大会への切符を手にする。
それまではゲームが好きなだけでSNSやネット配信にも無関心だった龍一が、ファンに応援される喜びと、プロとしての使命感を得て、本気のスイッチが入りはじめる。ライバルたちとゲームを競う楽しさにあふれる姿が初々しくて、むず痒い。
初めてのプロの舞台で緊張から出遅れてしまった龍一だが、ライバルたちは必ず追いついてくると確信し、龍一もその信頼に応えるために全力を尽くす。
バトルシーンで描かれる駆け引きや真剣勝負の熱さも必見だが、なによりもトップゲーマーたちのフレンドシップ、スポーツマンシップが清廉で素晴らしい。eスポーツドリームがつまった一作です。
(「最速への挑戦」4選/文=愛咲 優詩)