ケース2:胡乱な住人

所在地:地国某所

 一見何の変哲もないプレハブ住宅です。

 周囲は一戸建ての住宅街であり、どの建築会社の製品とも一致しません。

 土地の所有者は失踪しており、詳細は不明です。


 24時間照明がつくことが無いにもかかわらず、数年前から物音が聞こえると近隣住民の訴えがありました。


調査方法

 住宅の敷地内に定点カメラを1週間設置し、建物の内部の撮影を行います。


調査記録

甲月辰日

 カメラを設置。1週間撮影を続け、3日目に[住人]を撮影しました。[住人]は身長140cmほどのクマのぬいぐるみにペストマスクを被せたような姿で、金槌とノコギリをもって二足歩行をしている様子が撮影されました。


 期間を1週間延長し、撮影を続けましたが、それ以降[住人]の姿は撮影できませんでした。


調査方法(修正)

 [秘匿]より入手した鍵を用いて調査員2名で住宅内部に侵入し、直接の映像撮影及び定点カメラによる1週間の建物内の撮影を行います。


調査記録

乙月巳日

・調査員の報告

 玄関の扉を開けたところ、建物内から異臭のする濁った空気が噴き出しました。扉及びその他の開口部の隙間には粘液が付着しており、建物内の大気は外部と完全に隔絶されていたと思われます。


・録画記録

 建物内の外部から見えない部分は壁や柱、家具など、様々な部分に破壊と修繕を繰り返し行われた痕跡が見られました。


 修繕に使用された材料はさまざまであり、どこから調達しているのかは不明ですが、中にはカラスや猫などの動物の骨格や腐肉も見受けられました。


 [住人]の撮影はできませんでした。


丙月午日

 1週間後、内部に設置した定点カメラを調査員[某]が回収に行きました。[某]の報告によると、定点カメラは破壊され、机の脚として利用されていました。

 [某]は帰還後、記憶の混濁が見られ、体調不良を訴えて医務室にて宿泊しながら休息を取っています。


 [住人]の撮影はできませんでした。


調査方法(修正)

 再び建物内にて直接の撮影及び、定点カメラの設置期間を短縮し、3日とします。


調査記録

 建物内にて一部の壁が人間の肉体と思しき物体で修繕されていました。物体を回収、分析後、おおよその質量、及び遺伝子情報が[某]の体重、及び遺伝子情報と一致しました。

 医務室の[某]に簡単な面接を行いましたが、詳細は不明のままです。


丁月未日

 [某]が失踪しました。速やかに捜索を行ってください。

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現在未解決の特異性対象物資料のうち閲覧可の資料 白犬狼豺 @takeda-0

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