第3話 イビル

アクライが処刑課本部を訪れている頃、セントラル中央は少し不穏な雰囲気に支配されていた。


「ちきしょう」


建物の影に身を隠し、少年はあたりの様子をうかがっていた。


少年が息を殺し潜んでいるのはセントラルでも有数のレストランが集まるレストラン街。多くの看板が公道ぎりぎりまで跋扈しているおかげで身を隠すのにはもってこいの場所である。


もちろんレストラン街をそんな目線で見るものなどごくわずかしかいないのだが。


「あいつら、いつまで探してるんだよ」


正午になれば賑わうセントラルのレストラン街も今はまだ十時を少し過ぎた頃。人通りはそこまで多くはない。それ故に目立つ、十字架のマークを胸に付けた白い制服を着る二人組が何度も少年の視界に入る。その度少年は身を縮め、息を殺した。


「ん」


「っ、やべ」


少年の声が風に乗って届いたのか二人組の一人が少年の方へ向かって振り返った。


「どうした」


パートナーの突然の行動に二人組のもう一人も険しい顔で振り返る。


「なんか誰かにみられてた気が……」


しかし、いち早く体をひっこめた少年を二人が見つけることはできなった。


「気のせいか」


しばらく臨戦態勢をとった二人だが、結局気のせいと判断して警戒を解いた。


二人は隠れる少年から離れてしまった……


二人がその場を離れてしばらく、二人組が離れていくのは遠ざかっていく足音でわかっていたがすぐに顔を出すことはできなかった。


「……ふぅぅぅ」


ようやく顔を出し二人組が去ったことを確認した少年は肺にためていた空気を一気に吐き出しその場に倒れこんだ。


「どうしてこうなっちまったんだ」


あの白い制服は秩序課に所属する管理官であることを示す証。


その服を着て街を闊歩する二人組はこの社会の治安を守る正義の騎士なのである。そして、その騎士たちの目から逃れようと奔走しているこの少年は社会の治安を乱すもの。つまり、犯罪者である。


「こんなもんのために、俺の人生は、くそっ」


少年は手に持った女性もののハンドバッグを地面にたたきつけた。


バゴンッ


「っ……」


予想以上に大きい音が鳴ってしまい慌てて少年は身を屈め、辺りの様子を伺った。幸いこの不審な音の出どころを探すほど暇なものは近くにいなかった。


この出来事がパニックに陥りかけていた少年の頭を冷やした。


「……」


冷静さを取り戻した少年は今の自分が置かれている状況を整理、どうすればこの危機的状況を抜け出せれるか、脳をフル回転させて考えた。そして、瞬きを忘れ目頭が痛むほど考えて少年が導き出した答えは、


「詰みじゃん」


どうにもならないということだった。


「どうすりゃいいんだよ、これぇ」


少年の名前はジル。十六歳。特別変わったところのない普通の少年だ。一般的な家庭に生まれて一般的な教育を受けて一般的な育ち方をした一般的な少年。


「はあ、血迷った。あんな奴らの言うことなんて聞くんじゃなかった、くそぉ」


ごく普通な家庭に生まれ、ごく普通な成長をしたジルは十五の頃にあるものたちと出会った。そして憧れたのだ。不良という存在に。


この年頃の少年なら当然の感想、当然の結果。今まで社会に服従することが当然と思っていた少年たちには不良という豪快かつなんの生産性も感じられない生き方は鮮烈すぎた。


ジルも同年代の少年と同じく、仲のいい友達数人で不良ごっこを始めた。不良といっても所詮はごっこ遊び、罪になるようなことはしない。通りの真ん中をみんなで広がってバカ騒ぎして歩くとか、公園にいるカップルを冷やかすとか、その程度だ。


その程度の不良だったジルがどうしてこんなことをしたのかというと、これまたありふれた理由である。不良ごっこしているジルたちを馬鹿にした同年代の少年に「本当に不良なら盗みの一つぐらいやってみろよ」と挑発されたからである。ハンドバッグの持ち主の女が高飛車そうで気に食わなかったのもある。


少年が罪を犯した理由は、ただそれだけのことである。


「早く自首したほうが良いよな。初めてだし、ちゃんと謝れば大丈夫だよな。たぶん」


甘い考えだが、ジルの考えは間違っていない。初犯で窃盗、金目の物に一切手を付けず、誰にも身体的外傷を与えていない。それになによりジルは心のそこから自分の行いを反省している。今自首すれば確かに母親の小言と父親のパンチ一発でこの事件は解決となる。


最もその未来は暗闇の奥底からジルをずっと見ていた何者かによって黒く塗りつぶされてしまうのだが。


「ねぇねぇ」


突然ジルに話しかける子供の声が聞こえた。


「っ」


慌てたジルはすぐに立ち上がると距離を取りあたりを見回した。当然、ジルの周りには誰もいない。


「ねぇねぇ」


「っ、誰だ」


理解不能な状況に陥り、落ち着きかけたジルの心が再び激しく揺れ動き始めた。


「怒られるのやだぁ、やだぁ」


「だ、誰なんだよっ」


恐怖のあまりジルは耳をふさいだ。これなら声は聞こえないはず。そう思ったのだが、


「ねぇ、答えてよ、ねぇねぇねぇ」


耳を塞いでなお、子供の声はジルの頭に直接話しかけた。まるでテレパシーのように。


「怒られたくないなら、僕が助けてあげる」


「はあぁ、何言ってんだよ」


恐怖のあまり、ジルの声が大きくなる。


「怒られるのやだぁ、やだぁ」


質問に全く答えず、謎の声はしつこく同じ質問を繰り返す。


「ねぇねぇねぇ、答えてよぉ、やだぁ、やだぁ、怒られるのやだぁ、ねぇねぇねぇ」


自分がどういう状況に置かれているのかわからない。謎の声に対する恐怖も変わらない。それでも何度も質問を繰り返す小さい子供のような行動、その幼い行動が、揺れ動いていたジルの心を少し落ち着かせた。


「……そりゃあ、誰だって怒られたくはないだろう」


困惑しながらジルは何度も繰り返す謎の声の問いに答えた。


「そうだよねっ、そうだよねそうだよね、怒られるのは誰だって嫌だよねぇ」


ジルの答えを聞いた謎の声は、声を弾ませ喜んだ。


「そりゃ、そうだろう」


本当の子供のようにはしゃぐ謎の声を聞いたジルはさっきまでの強い恐怖心が薄れ、つい微笑ましくなってしまった。


「じゃあさ、じゃあさ、僕が怒られないようにしてあげるよ」


「えっ」


「うれしいでしょ、ねっ、ねっ」


勢いに押されたジルはついおもちゃをねだられるお父さんのように首を縦に振ってしまった


「そりゃあ、まあ、うれしい、けど」


ジルの答えを聞いた謎の声はさっきまでの無邪気だった声音を一変させた、


「じゃあ、決まりだね」」


「っ…………」


底の冷える冷たい声。瞬間ジルを黒い影が包み込む。


「うわあっ」


視界が闇におおわれていき、ジルの意識が遠くなっていく。ジルの意識が完全に闇へ沈む直前、闇にのまれていく自分を子供が――体を糸で塗った子供が――無邪気に目を漆黒に輝かせて見下ろしていた、そんな光景を見た……気がした。


それ以降、謎の声がジルに話しかけることはなかった。


「こ、ここは」


気づくとジルは元居た物陰で突っ立ていた。


足元にはついさっき叩きつけたハンドバックが転がっていた。


「ゆ、夢。こんなまっ昼間に。こんな状況で」


状況を理解できず混乱するジル。その背後から一人の男に声をかけられた。


「君、そこで何をしてるんだい」


「あ、いや、その……っ」


ジルは声をかけてきた男の胸に付いたマークを見た瞬間、慌てて顔を腕で隠し、お腹を押さえながら体を丸くした。


「どうしたんだい体の調子でも悪いのか」


「あ、いや、その」


ジルに話しかけたのはついさっき見つかりかけたジルを探している管理官だった。


優しい管理官は話しかけられ突然うずくまったジルを体調が悪い少年と勘違いして介抱しようと近づいてきた。


徐々に大きくなる足音にジルの心臓の音も大きくなる。


「大丈夫かい。近くに病院がある。つらいなら連れて行って……」


「こ、来ないで」


思わずジルは大きい声をあげてしまった。ジルの声は近づく優しい管理官の足を止めたが、それと同時に近くにいたもう一人の管理官、優しい管理官のパートナーにも聞こえてしまった。


「おい、どうしたんだ」


管理官は二人一組で任務に当たるのが鉄則。優しい管理官とそのパートナーは近くで手分けしてジルの起こしたひったく事件について聞き込みをしていたのだが、ジルの上げた声に不穏な空気を感じ、ジルの所へやってきてしまったのだ。


「男の子が頭を押さえてうずくまってるんだ。気も動転してる。病院に連れて行ったほうが良いかもしれない。ちょっと手伝ってくれないか」。


「おいおい、まじかよ。ひったくり犯を追ってるところだってのに……」


続けて現れた優しい管理官もパートナーもジルの介抱に手を貸そうとジルへ近づこうとした。しかし、その前に落ちていたある物を見つけてしまった。


「ん、これは」


パートナーの管理官が地面から拾い上げた物、それはジルがついさっき高飛車な女からひったくったハンドバックだった。パートナーの管理官が投げつけたハンドバックを拾い上げるところをジルはしっかり目撃した。その瞬間さっきまで重かったからだが嘘のように軽くなった。


「大丈夫かい、君。体調が悪いならすぐ病院にっ……」


優しい管理官の心配をよそにジルは静かに立ち上がるとゆっくり管理官二人の方へ振り返った。


「っっっっ」


ご近所でも愛らしいと評判の幼さの残るかわいらしい金髪の少年だったジル。しかし、振り向いたジルの姿を間近で見た優しい管理官は恐怖で凍りついた。


顔は干乾びぼろぼろ、口はヒルのように丸くなり、目は左右非対称、右目は拳ほど大きく、左目は右目の十分の一以上に小さい。それだけで不気味なのだがより奇怪なのは、腕が四本あるということ。本来の人の腕に加えて、新たに二本の腕が腹を食い破る寄生虫のように生えてきていた。


「あ、あああああああああああああああ」


あまりにも不気味、不快極まりない見た目に優しい管理官は本能のまま悲鳴を上げた。


「ど、どうした……う、うあああああああああああああああ」


遅れて、パートナーの管理官もジルの姿を目にし、悲鳴をあげた。


二人は恐怖という本能に従いその場から逃げ出そうとした。しかし、


「……」


ジルは逃げる二人へ向けて朽ちた木のようにカサカサになった腕を伸ばした。


逃げる二人を呼び止めよう伸ばしたわけではなく、ただなんとなく伸ばした腕はゴムのように伸び二人の管理官へ迫った。


「うわああああああああ」


「来るな、来るんじゃねえ」


必死に叫ぶも朽ちた腕は二人に迫り、そして


「あ」


「ぐっ」


腕は二人の体を貫通。直後二人はその場に倒れた。


「だ、大丈夫ですか」


道端に突然倒れこんできた管理官二人に驚いた通行人が駆け寄ろうとした。しかし、


カサッ、カサッ


落ち葉を踏みしめるような乾ききった足音が駆け寄る女性の足を止めた。女性は恐る恐る音のする方を見て、戦慄した。


「きゃああああああああああああああ」


女性の叫びを合図に、セントラルの街は恐怖と混乱の中に叩きこまれた。


「うわああああああ」


「逃げろおおおおお」


「化け物だああああああ」


人々の叫びが街中にこだまする。ジルは希薄な意識の中、人々の狂騒から逃れるようにセントラルの中央のある場所へとおぼつかない足取りで歩いて行った。


「…………」


ジルが足を止めたのはセントラル中央広場にある噴水の前。翼を生やした女性が水瓶を掲げる像が中心に置かれた噴水を見上げていると薄れていたジルの意識が徐々に戻っていった。


「ここ、は」


ジルの意識が戻ったとき、初めて見たのは噴水の水面に映る変わり果てた自分の姿だった。


「これは、俺、なのか」


顔に触れると水面に映る怪物もまた同じように自分の顔に枯れた手を当てる。


「…………」


状況が理解できず茫然自失になるジル。


そこへ、大判の本を持った黒ずくめの男が現れる。


「貴様が町中で暴れているイビルのガキか」


「お、お前は」


人気のなくなった広場に現れる目つきの悪い黒髪の男。手には豪華な装飾のほどかれた大判の本を持ち全身を真っ黒な服で身を包んでいる。


「俺の名か。俺の名前はアクライ。処刑課所属の執行官だ」


少年のジルはその姿を実際に見たことがなかった。それでもその存在は知っていた。


処刑課所属の執行官。神に代わり剣を振るい罪人に刑を執行するもの。


死神貴族と揶揄され畏怖される存在である。


「ジル・ブライアン。十六歳、学生。目立つ生徒ではなく進んで規律を乱すような学生ではなかったが、十五歳の頃より若者特有に見られる暴走をしばしば繰り返すようになる」


「っ……」


本を見ながらジルの人生を淡々と簡潔に語るアクライ。その姿に人のぬくもりは感じられない。


「その暴走の果て、ついさっき通りがかりの女が持っていたバッグをひったくり、管理官に追われる身となる。か……」


そこまで読み上げた後、一瞬ジルを見たアクライは小さく息を吐いた。


「どうしてただのひったくり犯がイビルになるんだ」


心底あきれたという顔をするアクライ。


さっきまでの機械的な印象が薄れたことで、ジルの中に張り詰めていた緊張の意図が少し緩んだ。


「全く、悪魔というやつらは一体どんな基準でイビルになる契約を持ち掛けているんだ」


「悪魔……」


アクライの愚痴に混ざり零れた重要ワードがジルの頭に全身を糸で縫った子供の姿をフラッシュバックさせた。


「あの子供かっ」


「子供」


ジルの口からこぼれた単語を、アクライは聞き逃さなかった。


「ああ、なんか突然子供の声に話しかけられたと思ったら突然黒い繭みたいなものに包まれて、その時、見たんだ全身を人形みたいに縫った男か女かわからない子供みたいなやつを」


ジルの言う悪魔の特徴にアクライは心当たりがあった。


「子供の姿をした悪魔か。あいつは悪魔の中で一番気分屋の悪魔だからな」


「悪魔にもいろんな悪魔がいるの」


「ああ、お前が言ってるのは今確認されてる中で一番行動が予測できない厄介な悪魔だ。そいつに目を付けられたのか、それは災難だったな」


アクライの表情は変わらず機械のようだった。それでも言葉に少年への、ジルへの心からの同情が伺えた。


「ああ、そうなんだ。俺はただ、ちょっと悪いことをしてみんなにすごいと思われたかっただけで」


アクライの言葉にずっと張りつめていたジルの緊張の意図が緩んだ。年相応の反応をするジル。それを見たアクライは、穏やかに頬を緩めると


「そうかそれは大変だったな。それじゃあ…………死ね」


「えっ」


子供の悪魔と同じ、そこの冷えた冷たい声で年端もいかぬ少年のイビルに死刑を言い渡した。


「処刑課所属執行官アクライ、これより貴様に刑を執行する」


アクライの言葉と同時に九つのアギトがジルに向かって襲い掛かる


「ま、待ってくれ。俺はあの悪魔に騙されただけで。本当はただの学生なんだ」


ジルの声を聞いたアクライは、吐き捨てるように言った。


「それがどうした」


「えっ」


一つの黒い顎がジルの肩に食いついた。


「うわあああああああああああ」


ジルの悲痛な叫びもアクライは関心がなさそうに攻撃を続ける。


「や、やめて」


たまらず、ジルは四つの手を伸ばした。伸びた腕は迫る四つのオオカミ頭の顎をつかみ動きを止めた。しかし、


「はっ」


残る四つを止める手段はジルにはなかった。


「たすけ、て」


残る四つの顎は容赦なくジルの全身を蹂躙した。腕を食いちぎり、肉を喰らい頭蓋骨はいとも簡単に噛み砕かれた。ジルの意識はあっという間に深い闇の中へと沈んで行ってしまった。


「……」


刑の執行が終わるまでずっとアクライはその場にたたずんでジルと呼ばれた肉塊が喰われていく様を傍観していた。





噴水広場で一人の男の子が座り込んでいた。誰も少年に声をかけようとしない。観光スポットお言う事もあって人はそこそこいるのだが、みな見て見ぬふりをしてその場を去っていく。


少年は涙がこぼれそうになるのを必死に我慢していたのだが、徐々に不安で心が押しつぶされていった。


「ぐ、ぐすっ」


ついに少年の目から涙がこぼれ始めた。


世界で一人、自分だけが一人ぼっちなのではないか。みんな僕の事なんてどうでもよくて、自分はこのままずっと一人ぼっちで死んでいくんじゃないか。


そんな悪い妄想が少年を支配し始めた。その時、


「ジルっ」


少年の名前を呼ぶ女の声が。


「ジルっ、ジルっ」


それに続いて、ジルを呼ぶ男の声も聞こえた。


「う、うえっ」


よく知る、二人の声。毎日、毎日聞いたジルの良く知る大切な二人の声。


「ジル、大丈夫か」


ジルが顔を上げると、そこには心配したジルの母と父の姿があった。


「う、うん」


ジルの声を聞いた二人は、人目もはばからず破顔した。


「よかったぁ、もう、こんなに心配させて」


母がジルを優しく抱きしめる。


「どこ行ってたんだ、馬鹿野郎」


そんな二人を父が強く抱きしめる。


二人から伝わる温かさがジルを押しつぶす恐怖を溶かし、そして


「う、う、うわああああああああああ」


ジルは思いっきり、泣いた。目から大粒の涙を流して。


その直後、噴水はジルの目からこぼれる水の何倍もの量の水を噴き上げた。その時見えたきれいな虹のアーチをジルは最後まで、忘れることがなかった。


執行対象:ジル・ブライアン(十六歳)。

本日、十時十一分に悪魔と契約しイビルとなる。

識別名称なし。

能力は人心掌握、伸びる腕で相手の魂に触れることで一時的相手の意識を奪う。

本日十一時十五分、刑執行を完了す。





「結局、子供の悪魔について何も有力な手掛かりは得られなかったな」


刑の執行を終え、アクライがその場を去ろうとしたとき、噴水が水を噴き上げた。翼の生えた女性の掲げる水瓶から吹き上げる水が、あの時と同じきれいな虹のアーチを出現させる。


「……ふん」


特に美術や自然に興味のないアクライは次の刑執行のためすぐにその場から去ろうとした。一瞬、噴水にかかる虹がアクライの視界に入った。


「…………ふん」


アクライは足を止めることなく次の任務に向かうため噴水に背を向けた。


目元から光を反射する一筋の光が零れ落ちたことにアクライが気づくことはなかった。


処刑課所属執行官アクライ。能力、ダークアギト。狼の姿をした九つの顎を召喚することができる。顎は倒されると二十四時間再生せず、すべての顎を失うとアクライは能力を使用することができなくなる。


そして…………


アギトが喰らった相手の記憶の一部は能力者の脳に流れ込んでくる。それを能力者使用者が止めることはできない。


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