第4話

おはようございます(白目)

今日厄日です、本当に自分が可哀想になってくるよまったく……。


ことの発端は今日の4限目の日本史だった。

俺は自慢じゃないがなかなか勉強ができる方だと思っている。ただし、日本史を除いて。日本史以外で評定平均を取ると3.8ぐらいにはなるのだが、日本史の2が足を引っ張りすぎていて評定平均が大変なことになっているのだ。


そして俺は愚かなことに、石井さんに助けを求めてしまったのだ……。いや、言い訳をさせてくれ、俺の友達に日本史ができるやつがいなかったんだよ、だから石井さんに助けを求めてしまったわけだが、それがちょっと悪手だったと気づいたときには後の祭りだった……。




「次回は期末前最後の授業だからな、いつもは10点満点の小テストだが、30点満点で範囲は期末の範囲の小テストをするぞー。この小テストがよかったら期末の点数が悪かった時の救済措置にしてやるから、頑張って勉強して来いよー。」


そう日本史の先生が言ったとき、俺は日本史の成績が1になることを覚悟した。


しかし、ひらめいてしまったのである。石井さんを頼ろうと……。昨日さんざんな目にあったことは覚えてはいたが、この時点でどうかと思うが、石井さんを頼ろうとしたのである。

石井さんは二つ返事で引き受けてくれたが、友達を連れてきてもいいかと聞かれて俺は迷わずイエスと答えてしまったのであった……。




放課後になって、自分の教室で待っていると、石井さんと石井さんの友達らしき女の子が現れた。石井さんとは違ってなんか、陽キャっぽい女の子だった。


「おー、君が最近優奈が言ってるひとかー、よろしくね?あ、あとこの子の暴力の理由は何種類かあってね、恥ずかしいからとか怒ったとか面白かったからとかの種類があるから見分けるようになるといいねー」


急に石井さんの友達らしき女の子が爆弾発言をした。

その子はその後すぐに石井さんに脛を蹴られていたのだが、まぁ石井さんが脛を蹴るという行動をしたのは慣れてきたので置いておくとして、石井さんの暴力の理由が恥ずかしいからとかの理由があるのか……ということを知ってしまった。

知ったからには今までの石井さんの暴力の中に込められた意味が知りたくなってきてしまったので、ちょっと今までの石井さんから受けた暴力の数々を振り返ってみた。


そういえば、俺が『俺のこと、嫌い?』って聞いたら『違う、よ』と返ってきたときの廻し蹴りは恥ずかしかったからという理由では……??


思い当たる節があります、ね……。


「石井さん、俺のこと嫌いじゃないよって言ったあとの廻し蹴りってさ……」


痛い痛い、無言で本気の脛蹴りはやめてほしいです、ハイ。

石井さんの友達、よくこれを何食わぬ顔で耐えてたなぁと思いました、ハイ。


石井さんの友達、やばい顔で本気の脛蹴りされてる俺の方凝視してるんですが、俺何かしたかな……。

これは恍惚としてる顔か……?

人が痛い思いをしてるのを恍惚の顔で凝視するとか、ドSか……?いや、さっき自分が受けた痛みを思い出して恍惚となっている可能性もあるな…。


どっちにしろこの子がこわいことには変わりないね。石井さんの周りには変な人しか集まらないのか……?いや、そのくくりだと俺も変な人になってしまう、それだけは避けたい。


ようやく脛を蹴るのを終わってくれた。長かった……。脛は人体の急所だということを深く理解できたよ。もう二度とされたくないですね、、、


「あ、名前まだ言ってなかったね、ぼくは仙北谷ひとみって言うんだ。よろしくね」


石井さんの脛蹴りを恍惚の顔で見ていた石井さんの友達も立ち直ったようだ。

いまさらきりっとするのはやめてくれ、恍惚な顔でこっちを凝視してたのは知ってるんだぞ。




まぁそんなこんなで日本史の小テスト勉強が始まったのだ。

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拳で語る系ラブコメ(仮) 獺。 @yunachin

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