第28話 ほのぼの混乱の人々

 88.NAME:とある冒険職

 SSOの勢力図もだいぶ固まってきたなぁ


 89.NAME:情報屋

 そうやな、上位陣をまとめると


 ラピラピ、ギル、キョーヘー……中規模ギルド開設

 ナノハ、リリア、ミカゲ&ゲンカー……大規模ギルド開設

 ユノ&サクラ……小規模ギルド開設

 グレン……謎


 こんなところか


 90.NAME:SSOまじ神

 単純に考えればミカゲ&ゲンカーの「騎士同盟」が一番やばいな

 ユノ&サクラが小規模ってのも不気味だけど


 91.NAME:名無しの大工

 ユノのギルドホーム見たか?


 92.NAME:とある冒険職

 見てない、どこにあるん?


 93.NAME:名無しの大工

 ギルドホームエリアの一番外れ

 めっちゃ広い土地買って自分で建ててたわ


 94.NAME:SSOまじ神

 金持ちは違うねぇ

 あ、ちなさ


 95.NAME:名無しの大工

 ん?


 96.NAME:SSOまじ神

 ワイ、ナノハ様のギルド入れてもらいました~


 97.NAME:とある冒険職

 ふぁ!?


 98.NAME:情報屋

 ふぁ!?


 99.NAME:名無しの大工

 ふぁ!?


 100.NAME:SSOまじ神

 情報は武器になるから詳しいこと言わんけど、なかなかえぐいぜ、メンツ


 101.NAME:アイリスちゃんしか勝たん

 盛り上がってるじゃん、おひさ


 102.NAME:情報屋

 おひさ~

 何か情報あるか?今ここには爆弾落とされたんだが


 103.NAME:アイリスちゃんしか勝たん

 じゃ、落としちゃいますかね


 104.NAME:名無しの大工

 落としちゃえ~


 105.NAME:とある冒険者

 なんや!?


 106.NAME:アイリスちゃんしか勝たん

 ユノのギルドにグレンが入ったという噂ゲットしました


 107.NAME:アイリスちゃんしか勝たん

 あれ?みなさん生きてます?

 もう10分間スルーされてるんですけど


 108.NAME:情報屋

 すまん、衝撃的過ぎて心臓が10分間止まってたわ


 109.NAME:SSOまじ神

 それってガチな話?

 ただの噂?


 110.NAME:アイリスちゃんしか勝たん

 結構ガチだと思う

 出どころが信ぴょう性高いから

 ガセだったらごめん


 111.NAME:情報屋

 例えばギルド対抗戦なんかイベントでやったとするよ


 グレン&ユノ&サクラVSミカゲ&ゲンカー


 こいつらが1位、2位を争って、ほかの奴らで残りの上位を埋める感じになるな


 112.NAME:とある冒険職

 グレンは対ユノ最終兵器だったのに……


 113.NAME:名無しの大工

 魔王と勇者は手を組んじゃダメだろぉ!?

(なお、自分は市民職なので実害はない模様)


 114.NAME:とある冒険職

 おい


 115.NAME:情報屋

 @アイリスちゃんしか勝たん

 その情報、もうちょっと詳しく集められるか?


 116.NAME:アイリスちゃんしか勝たん

 おk

 明日またこのスレに来る


 117.NAME:情報屋

 よろっ!!(ガセであることを願って)


 118.NAME:とある冒険者

 よろ~(ガセであることを願って)


 119.NAME:SSOまじ神

 よろしく(ガセであることを願って)


 120.NAME:名無しの大工

 よろしくだぜ(ガセであることを願って)




 第3回ユノ対策運営会議が、仮想空間の運営室にて開かれていた。

 ちなみに第1回はイベント直後に開かれ、第2回では【全能】という要素によるゲームバランスの調整を行っている。


「グレンがユノと組んだにゃ!!どうするにゃ!!」

「ネコ、落ち着くゲコ。出来ることなんてないゲコ」

「そうだわん。奴らは別に不正をしている訳じゃないわん」


 完全にテンパっているネコと、もう諦観状態のカエルとイヌ。

 ウマじいは、安定の遅刻である。


「幸いなのは、ミカゲとゲンカーが組んで大規模ギルドを作ってくれたことわん」

「それはあるゲコ。そこだけが唯一の対抗馬ゲコ」

「もうこのゲームはサ終にゃ……」

「それは言いすぎだわん。ただ、ギルド対抗イベントを一部バトロワ方式に差し替える必要はあるわん」

「バトロワなら、グレンとユノがつぶし合ってくれるゲコ」

「はあ、『おとぎの国』抜きに企画が考えられないにゃ」

「奴らはもはや、パワーバランス的には運営と釣り合ってるわん」

「「「はぁ~」」」


 3人(3匹)は顔を見合わせて、SSOサービス開始史上最大のため息をついた。


「ユノたちが何してるか、見てみるにゃ」


 ネコがモニターに、今の「おとぎの国」の様子を映す。

 のの花たちは、ちょうど隠しクエストを探して探索しているところだ。


「隠しクエストには、何があったっけにゃ?」

「あれはウマじいが仕込んだわん」

「じゃあ、ヤバいもので間違いないゲコ」


 その「ヤバいもの」が、報酬として与えられる強力な武器やスキルでないことを、祈る運営たちだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る