書庫
現状をありのままに受け止め、そこには何の期待もなく優しい言葉をかけてくれる。
「誰もわかってくれないかもしれないけど僕にはわかる。それは大いに振り回された一日だったね。
誰も悪いわけではないのにそんなことが起きてしまうなんて、運命は非常だよ」
私は腰を下ろして息をつくと思い詰めた顔で言った。
「私はこのことをすっかり放っておいて忘れるべきなのだろうか?」
彼は真剣になり私の目を一度見たと思うとしばしの沈黙の後答えた。
「君のそれは本心じゃないね。たとえ誰かに言われたとしてもそうすることはしない。それにそんなことするべきじゃない。君の信条は愛だろ。自分を偽って、隠していたとしてそれは信条の示す態度か?いや違う愛は偽りによって、隠蔽によっては決して達成されない」
この時ばかりは私は熱くなった目頭を悟られぬようにしようとも思わなかった。
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