空は青、私も青
自分を偽り世界に迎合するそれは過去の二の舞であり、今までで一番愚かなことだ。いや、そもそも私なんて演技さえできなかった。父親を怒らせないようにするには?友達と気まずい雰囲気にならないようにするには?先生の言うことをやってたらいいの?そうやって強迫と疑念に囚われた私に発せられる声などなかった。私は私じゃないものになれなかった。私の理想の人になどなれなかった。
友達を笑わせるにはどうすればいいか?そういう面白いことじゃないと気まずくなってしまう。それだけは避けなくては!何か何かないか?
何もなかった
面白い話など考えようと必死になっても出てくるわけもなかった
なぜなら私は悲しいから。
父親には怒りがあるのに子供であるが故に反抗することは許されない。どんな理不尽も飲むしかない。
学校も宿題、宿題、テスト、テスト、部活、部活。誰もそれをやる意味など教えてくれないのにやらないと人ではなくなる。
友達も人の嫌味に口をそろえなくてはいけないし何か面白い話題を提供しなければいけないし面白い反応をしなければいけない。そうじゃないとふーんとか話をサラッと流されて空気の読めないやつと認定させられる。
それを満たしきった人こそが理想と言える?
私はそんなことを当然としてやれるだけの育ち方をしていない。
もうそれを演じる理由が何一つわからないよ。
そうした求められる望ましいものを目の前としてそれが私にはないと気づいたとき私は口をつぐんでいた。
口にする度、私と世界は違うと自覚するなら何を口にする理由はない。
でも今はそれが全てではない!
あの学会発表のあと中国人留学生の友達に「(学会発表)おわったの?」とメールで聞かれたとき私は「2つのの意味で終わった。教授の反応的に死んだかもしれない」といった。
そしたら友達は「ただの発表じゃないの?」ときいた。
私は笑わずにはいられなかった。
そうなのだ。ただの発表以上のなにものでもない。私は深く思い悩みすぎていたのかもしれない。
「結構きつい質問が来た」とこぼした
すると「初めてだからさ、よく頑張りました」と言ってくれた。
教授からも気まずそうな冷たい「おつかれー」で済まされた私にとってみればこの一言でどれだけ救われたかわからない!深夜バスで片道13時間揺られた辺境の地でどれだけ心細かったことだろう。
私はこの一か月準備に明け暮れたのに発表の場で拒絶されたら私は何でこんなところに来たのだろう。
この底知れぬ体を突き抜ける孤独と悲しみを形骸的な「おつかれ」ではなくそれを受け止めたうえでねぎらってくれる。その言葉はどれだけ素晴らしいものか。
私のは確かに学会発表で否定され、世界への離別に貫かれずにはいられなかった。
だがそれはわたしの全てではなかった。私の悲しみをわかってくれただけでなくねぎらってくれた。
これからどうするのか、
フロムのいう世界と自分との合一はあきらめ以前のように自分を晒さずに物言わぬものとして迎合して生きるか
世界と自分合一はあきらめ妄想の中で幸せな精神異常者として生きるか
それとも世界に絶望し自分を殺すことで自分から脱するか
それとも最近のように自分を世界に説明していくことで世界と合一を目指すか
辺鄙な私を晒していくことは世界との離別を幾度も含むことだろう。
しかし私である以上、私以外のものを見せることなどできない
そうなると世界への合一が私を説明しそれを目指す以上、異質で疑いの目を向けられる自分をそういうものではない実はあなたも私と同じだということを私もあなたと同じであることを説明するしかない
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