#177 一人、火を灯す――その名は「エイカゲンニセイの無様な火」
あなたとメイカケイは足を引きずりながらあばら家への帰途につく。あなたは何度もメイカに詫びるが、彼女は一言も発さなかった。
あばら家に近付くと、メイカは引きずる足をどうにかして早く動かし、あばら家に入った。あなたはこの先のことを予期して外で待つ。すると案の定、メイカはあなたの荷物を戸口から放り出した。
「行きな」
メイカケイはそう言い、戸を閉めた。
「すまない、メイカケイ」
あなたは町の北へと歩を進めようとする。だが、あなたの身体中が痛みを訴え、直ちにうずくまることを強く求めた。あなたは道外れの人目に付かない場所を見つけると、覚束ない手でランタンに火を灯し、そこにうずくまった。
メイカケイ、あなたは明日からどうやって生きるのだろうか。
この地での俺の言動、すなわち俺が灯した火は、結局のところ何をもたらしたのだろうか? カオル、ヒモリ。君達がこれを見たら、何と言うだろう?
あなたは火を消し、眠りについた。
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