#173 くすくすと笑って去る男

 あなたは先日と同様にセットメニューを飲食しながらホシノコ川と堤防工事現場とを眺め、続いてハライソ農場へと赴き、遠巻きにそこを眺めた。あなたはドトルを流れゆく風景の数々をあらためて思い起こし、静かに自らの器に収める。

 あなたは町の北外れに差し掛かった。ちらりと振り返ったあなたは思い浮かべる。あばら家の低い天井に杯を突き上げて、無邪気に笑うメイカケイを。

 あなたは彼女の無事を祈りつつ、くすくすと笑って、去っていった。

 #300へ進む。

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