#166 御領主ハライソ様
ほどなく、上品な服装をした壮年の男が、悠然とした足取りでやってきた。太ってはいるが身のこなしに無駄がない。口髭を奇麗に切り揃えている。
「やあ、何か揉め事が起こっているようだね。心配で来させてもらったよ」
皆が彼に一礼する。彼はこの農場の領主、ハライソなのだろう。
「ホノウミ、この状況を説明せよ」シットが言う。
「御領主様。俺達は、この二人の火の器に農場のあるべき秩序を説き、二人に謝罪させていたところです」
「ハライソ様!」メイカケイが顔を伏せたまま言う。「俺達は何も悪いことはしてねえです。それだけは信じてくだせえ!」
「黙れメイカケイ! お前には聞いておらん!」シットが叫ぶ。
「ふむ、メイカの隣の男は……」と、ハライソ。
「メイカの甥で、エイカという者です」ホノウミが答える。
「メイカとエイカ、顔を上げなさい。話を聞こう。ともあれ、立ち話では済まないね。場所を移そう」
あなた達は休憩場所へと移った。
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