#165 エイカの謝罪

 あなたはメイカケイと共に皆の前で身を屈め、両手両膝を地に付ける。

「皆、俺が来たことで農場の秩序を乱してしまい、申し訳ない。この通りだ、お許しいただきたい」

 隣のメイカケイは、無言のまま額を地面にこすりつけている。あなたも彼女に倣い、額を地面にこすりつける。この場にはそれを止める者はいない。

 しばらくの間、あなた達はその姿勢を保つ。

「俺達にも悪気があるわけじゃねえ」ようやくホノウミが口を開く。「だが俺達は甘くもねえ。こりゃあ、土下座で済む話じゃねえんだ」

 では何で済ませるのか?

 金銭か、あるいは拳か。あなたは思い巡らせる。両方かもしれない。

 その時、遠くから呼び声がした。

「おいお前達、何をしている!」

 執事ホウリシットの声だ。皆と共に、あなたはちらりとその方向を見た。執事があなた達のもとへ駆け付けてくる。

「ご覧の通りだ」ホノウミが応じる。「今、落とし前を付けようとしているんだ」

「そんなことは見ればわかる。ホノウミ、すぐにお館様がお見えになる」

「何のご用でだ?」

「私にもわからん。皆、このまま待て」

 #166へ進む。

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