第2話 ようやく判った?遅いはずがない!
「痛ったー、いたたたー」と大声上げながら走って居ります。
転倒したのか?と思ってらしゃるかと思いますが、転倒では御座いません。
現在進行中で左半身に一定のリズムで襲って来る、外的要因の痛みに耐えながら
<HONDAリード>より加速の鈍い<GR50>にて学校から帰宅の途上の出来事です。
既に着ている雨合羽は機能しておらず、制服はおろか下着までずぶ濡れ状態。
今はいつもの年より少し早く、直撃コースに載って此方に向かってくる台風の中です。
自宅に向かって走って居るのですが、<何で痛いの?>と思った方いらしゃると思います。
信じられないと思いますが、引いては打ち寄せる波。
通常は海水面が2メートル下ですが、打ち上げる時車道面より3メートルを優に超え、海岸沿いの小石を巻き上げ、
余談ですが約15年程前に始めて帰郷した折には、既にその道は使われておらず、内陸寄りにトンネルが貫通し、安全に通り抜けられる様に為って居りました。
「安全、快適、直線的に短時間」に為ってしまって居りました。
今はあの海岸線出来事は、私の記憶の中にだけ残る物なんだと、深く感じたのです。
当時は海岸線に沿って、まがりくねりながら走るしか選択肢は無かったのです。
その道は約20メートル位ごとに、岩肌を貫通させ道が出来て居り、その陰に退避しながら、波のタイミングに合わせてスタート、停止を繰り返し、登校と帰宅をしたものです。
大波、中波、小波のパターンで来ますので、小波は
其れで間に合わず直撃し「いたたたー」と為って仕舞うのです。
話を少し戻し前回分の続きへ・・。
衝撃の<RZ50>との出会い、その日から3日後中間試験で部活も無く、負けっぱなしの<リード>と衝撃の<RZ50>との3人で帰る事に為り、校門から出た先に在る直線で奴らが全開加速。
勿論私は置いてきぼりを食らうのですが、あんなに速いと思っていた<リード>が全く追い付けない・・・、「嘘だろ?」と言葉が零れていました。
3人とも自宅の方角が違うので、其々の道への分岐点で先行していた二台が待っていた、漸く追いつき「すんげー速いんだ!」と声を掛けたら、又次の衝撃が襲う。
「お前遅すぎ、そのGR50、カフェレーサーで此のRZの兄貴なんだぞ!」
確かにバイクの事を知らず<カフェレーサーって何?>と思っている私に向け、続けて話す。
「シートのサイドにゼッケンプレート付いてるだろ!」矢継ぎ早に声かけられる。
「そんなに遅い訳無い!、何処か壊れているか、故障しているはず、絶対見てもらえ!」と。
自宅への帰り道走りながら「RZの兄貴、レーサーだぞ!」と「遅いはずが無い!」その言葉が頭の中を木霊し、気が付くと自宅に到着していたのでした。
次の休日たまたま、中坊の時の同級生に呼ばれ遊びに行き其処の親父さんが声を掛けて来る。
「その単車走らないだろ、音がおかしいぞ!」と言われた。
此れでようやく謎が判明するのか?
まるっきりのトーシロから、バイク好きに少しずつ変わっていきます。
少しでも興味持って戴ければ幸いです。
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